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Initiation love 38 ページ38

side知念

唐突に覚醒した僕の意識ーーー

部屋の中を見渡すと、何処かのベッドルームの一室に寝かされていた。


ガチャッガチャッ

出入口と思われるドアノブを回してみるも、重たそうな扉は全く開く様子もない。


(え〜っと…僕、どうしてココにいるんだっけ?)

記憶の糸をゆっくりと辿ると、おじいちゃんに再度話に行こうと部屋を出ようとした所で…

「そうだ!美咲ちゃんの執事に何か薬品見たいのものを嗅がされて…
ってか、主役を置いてきぼりにして誕生日会とかやっちゃうわけ?」

誰もいないの部屋に僕の独り言が響く。

「僕が姿を現さなかったら、宏太辺りが不審に思って探しに来てくれないかな…
なんて…無理か…」

だいたい、宏太自身も光くんの事があるから最近は本家の行事には滅多に顔をださなくなった。
今日だって、来てない可能性もある。

両親も来客の挨拶回りとかで忙しく動き回っているだろうし…

こんな所じゃ携帯も使えない。

そう思って何か他の連絡手段はないかと辺りを見回した時だった。
部屋に備え付けられていたテレビモニターが急に何処かの映像を映しだした。


「えっと…コレって…舞踏会の会場?」

画面の中の人々はみなドレスやタキシードに身を包み、仮面を着けた状態で会場内を動き回っていた。






ボーンボーンボーン


12時を告げる鐘の音が鳴り響くと共に、前方のダンススペースでは社交ダンスが始まったようだ。

「本当にはじまっちゃったよ…別にココに来ている人達なんておじいちゃんとコネクションを作りたがってるだけで、僕の事なんてどうでもいいんだよね…はぁ…」

自嘲じみた呟きをしつつ、盛大なため息をついていると…



「あれ?……宏太…?それに……涼…介?」

画面の端に見知った人物達が映り込んだ。

当然、僕の視線は画面に釘付けになる。


すると不思議な事に、僕の思考を読み取ったかのように、映像が僕の見たかった人物をアップにして映し出した。
仮面で顔は半分かくれいるのもも、僕にはそれが彼である事が一目瞭然だった。

さらに…

「嘘っ…圭人やゆーてぃ、いのちゃん達まで…
宏太が皆を連れて来た…の?」

みんな…僕の…ために?

……


心配かけてごめんね…


ホント、何やってんだろ僕……



そして画面が再び少し強張った表情をしている涼介を捉えた。

…っ

胸がぎゅーって苦しくなる。



涼介……


涼介は怒ってる?

悲しんでる?

呆れてる?


僕の事

嫌いに…なった?

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黒猫ボス(プロフ) - atsuさん» 前回に引き続きコメントありがとうございます!!趣味丸出しなお話なので、読んで頂けるだけでも嬉しいのに、お褒の言葉まで…こちらこそありがとうございます!(≧∇≦)もう少しで移行しますので、準備が出来次第またお知らせいたします! (2017年9月27日 22時) (レス) id: 83d62a5f08 (このIDを非表示/違反報告)
atsu(プロフ) - 更新お疲れさまです!頭脳明晰かつ理路整然な薮君にはただ唸るばかりです。そして、この作品の生みの親である黒猫ボスさんにはいくら賞賛の言葉を贈っても足りません!今後の展開が楽しみでなりません! (2017年9月27日 16時) (レス) id: 12648f5822 (このIDを非表示/違反報告)
atsu(プロフ) - 更新お疲れさまです!久々のゆといのターンにテンションアップルしております♪笑 まだまだ謎だらけでもどかしくなりますが、やまちねの幸せな未来を願いつつ悶々としながら次回の更新をお待ちしております(*´∀`) (2017年9月21日 15時) (レス) id: 12648f5822 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫ボス(プロフ) - atsuさん» お返事が遅れてすみません。思ってたよりも長いお話になっておりますが、あと少しだけハラハラした展開をお楽しみください!^_^ (2017年9月15日 22時) (レス) id: 83d62a5f08 (このIDを非表示/違反報告)
atsu(プロフ) - 敵と味方が入り乱れているような展開にドキドキハラハラしっぱなしです…。次回の更新も楽しみにお待ちしております!(*´∀`) (2017年9月10日 16時) (レス) id: 12648f5822 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒猫ボス | 作成日時:2017年2月16日 22時

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