そんな僕らの日常生活9

Initiation love 21 ページ21

圭「はっ？何言ってるの！？山ちゃん…バカなの？」

さっきまで泣いていたハズの圭人が今度は心底呆れた顔をしながら俺の独り言を遮った。

圭「俺に言わせれば、山ちゃんイケメンだし、料理はプロ並みだし、女子力高いし…
人より優れている所なんていっぱいあるじゃん！
山ちゃんの考える理想の大人ってどれだけ完璧な存在なの？そうじゃなきゃちぃちゃんにつり合わないっていうの？

もう、そんな弱気な山ちゃんのままじゃ美咲さんからちぃちゃん取り戻せないよ！」

山「圭人…」

普段は人に向かってそんな事を言わない圭人が、語気を強めて俺にアドバイスをしてくれた。



パンッパンッ！！

山「よしっ！」

その言葉を聞いて、俺は自分の頬を両手で叩いて気合を入れ直した。


山「圭人サンキュー。なんか目が覚めたわ。

知念が戻らないと俺はもっと情けない男になっちゃうし…
今はまだ自信が無くても、俺は絶対に知念を幸せにする！
いやむしろ、知念の事を幸せに出来るのは俺しかいないんだから…
例え相手が大企業の社長令嬢だったとしても知念への想いは絶対に負けないし、知念も俺のこと誰よりも大切に想ってくれてるって信じてるから。

知念を…侑李を取り戻す！！」

半ば思い込みの様な思考だが、そう自分自身に言い聞かせて俺は前を向く事にした。

圭「山ちゃん…
うんっ！ちぃちゃんもきっと僕たちが来るのを待ってるよ！早く部屋を探し出そう！」




＊

それから俺らは怪しそうな階を探索して、なんとか知念の部屋の場所を突き止めたのだった。



トントントンッ


山「知念いる？山田だけど…
いたらドア開けて！圭人も来てるんだ。皆で薮ちゃんに連れて来て貰ってて…」

圭「返事無いね。やっぱりどこかに挨拶回りとかしてるのかな？」

山「…いや、あの人見知りの知念がそんな事するとはとても思えない」

圭「そうだよね。とすると、やっぱまだ美咲さんに捕まってるか、おじいさんを説得してる最中か…
でも、俺たちがここにきてる事は伝えておきたいね。きっと味方が多い方が心強いし」

山 「圭人、メモとペンとか持ってない？」

圭「あるよ！さっき薮ちゃんの部屋にあったの借りて来たから」

山「でかした！とりあえず…」


俺は皆で来ている事と薮ちゃんの部屋の番号、そして俺の今の素直な気持ちをメモに書き、ドアの下に差し込んだ。



知念…

俺は絶対にお前を諦めないから。
どんな障害だって絶対に乗り越えてみせるよ！

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