そんな僕らの日常生活9

Initiation love 16 ページ16

side知念

知「ねぇ、おじいちゃんに会わせてってば！」

秘書「社長はただいまお得意様の挨拶回りに出ておられますのでこちらにはおりません。
申し訳ありませんが、お部屋にてお待ちください」

船に乗ってからも美咲ちゃんとその執事が張り付いていたせいでなかなか自由に行動が出来なかった僕。
やっとの思いで隙をついておじいちゃんの部屋を見つけて訪ねてみたものの…

秘書に門前払いをくらってしまった。

とにかく早くおじいちゃんを説得してちゃんと 婚約を解消しなくちゃ…

こんな所で婚約発表なんてされたらそれを覆すのは相当難しくなってしまう。


美「こちらにいたのですね侑李様。探しましたわ。
そろそろ前夜祭の衣装を決めませんか？
侑李様のお衣装に合わせて私もドレスを決めたいと思いますので…」

知「美咲ちゃん…申し訳ないけど僕、君とは婚約出来ないから。君なら僕なんかよりももっと相応しい人が現れるよ…」

美「嫌です！私はお相手が侑李様だから、このお話を進めてもらったのです。
侑李様は私のただ一人の運命の人…

幼い頃、知念の本家の森で迷子になった私を侑李様が見つけて下さった時から私はずっと…ずーとお慕いしております。
今でもその想いは変わりません！！」

知「ごめん美咲ちゃん。この際ハッキリ言うよ。僕には…」

？「おお！侑李か！美咲さんも。こんな所で二人揃ってどうしたんじゃ？
前夜祭の準備はもう出ておるのか？」

知「おじいちゃん！！」
美「知念のお祖父様！！」

いい所で現れたおじいちゃんに僕は何もかも素直に告白する事を決めた。

知「ねぇおじいちゃん…いや、お祖父様…大事なお話があります。今お時間をもらえませんか？」

祖「どうしたんじゃそんな真剣な顔をして。

…そうだな…こんな所で立話もなんじゃ、部屋に入りなさい」

そう言っておじいちゃんは僕ら2人を連れ自分の部屋に入ったのだった。







知「あまり時間が無いので単刀直入にいいます。
僕はこの婚約を受け入れられません！」

覚悟を決めたものの最後の最後に涼介に迷惑をかけちゃうんじゃないかって考えが頭の中を過ぎる。

知「僕には…彼女はいないけれど、これから先もずっと一緒にいたい彼氏がいます。
だから、美咲ちゃんとは婚約できません！」


でも、ココで言わなきゃ僕は僕の幸せを掴めなくなっちゃうから…


祖「侑李…その相手と言うのは誰だ？(怒)
宏太に引き続きお前まで！！」

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