グロテスク (ページ10)

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「あ！きたきた！遅かったね！怒られてた？」

『ううん。』

「あ、A、花笑知らね？」

『…トイレにいた。迎えに行ってあげれば？』

「おまっ…馬鹿じゃねーの。トイレはダメだろ」

『…瑞稀も何も知らないんだね』

「…は？」

『なんでもない。奈緒、帰ろう』

「あ、うん」

どいつもこいつも。

ほんとイライラする。

「ちょっと！さっきのなに？」

『…別に』

「…そっか」

『ねぇ、奈緒』

「…なに？」

『好き同士で付き合ってるなら、お互いのことわかってるもんじゃないの？』

「んー、全部わかるってわけじゃないのかも知れない。私だって優斗の知らないとこたくさんあると思うし。」

『例えばさ、その人の様子とかでなんかあったのかなとか感じることないの？』

「…どうしたの？急に」

『なんでもない』

「…んー、優斗はいっつもヘラヘラしてるからわかりにくいな。」

『そうなんだ』

「……どうしたの？なんかあった？」

『ううん。気になっただけ。』