グロテスク (ページ11)

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瑞稀side

＿＿＿『…瑞稀も何も知らないんだね』

Aが言ってたことが気になって、迷ったけどさすがに遅いから迎えに行く事にした。

「花笑？大丈夫か？」

「っ！瑞稀くん…」

トイレの中から花笑の声が聞こえた。

「なんかあった？」

「…大丈夫だよ」

「大丈夫なら帰ろ…」

帰ろうと言おうとした時にびちょびちょになった花笑が出てきた。

「どうしたんだよ！？誰にやられた！？」

「…同じクラスの子達」

「ずっと…いじめられてたの？」

「…う、ん」

Aが言ってた通り俺は何も知らなかった。

気付かなかった自分に無性に腹が立った。

「っくそ」

「…瑞稀くん？」

「俺のせいだよな」

「っ違うよ！瑞稀くんのせいじゃない！」

泣きそうになってる花笑を抱きしめた。

花笑の体は冷えきっていた。

「…っごめん」

「瑞稀くんが謝ることじゃないよっ」

「なんで言ってくれなかったの？」

「っ…言ったら瑞稀くん心配するでしょ？」

「当たり前だろ！彼氏なんだから」

「やっぱり瑞稀くんは優しいね」

「…花笑？」

「私、瑞稀くんと合ってるのかな。」

「え？」

「クラスの子から言われるの。私みたいな地味な子が瑞稀くんと合わないって。最初は言わせておけばいいって思ってたけど、だんだん自分でもそう思うようになってきてずっと不安だった。｣

「周りの言葉に惑わされるなよ。俺が好きなんだから。」

「私だって大好きだよ。でも瑞稀くんがこのこと知ったら責任感じて別れちゃうんじゃないかって怖くて」

「別れるわけないじゃん。俺が花笑の事守るから。ずっと傍にいる。」

「ふふ笑Aちゃんが言った通りだ」

「A？」

「うん。実はねAちゃんが助けてくれたの。このタオルもAちゃんが貸してくれてね。それでこの事相談したらAちゃんが、瑞稀くんは責任感じて私を手放すほどヘタレじゃないって」

「…そうなんだ」

「私も瑞稀くんのこと何もわかってなかった。ごめんね」

「気にすんな」

今回ばかりはAに助けられたな。