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その日の夜、ベランダで母が見守る中、私と転弧くんは、私が産まれて半年記念に祖父母が買ってくれた、ボールプールで遊んでいた。
メッシュ素材のプールに大量のカラーボールが入っている。
懐かしいなあと思いながら、オレンジのボールを掴む。
赤ちゃんって、こういうの食べてたっけ…
私は意を決して、口元にボールを運ぼうとしたが、転弧くんによって阻止された。
｢わ！ダメだよAちゃん！こうやって遊ぶんだよ！｣
私の手からオレンジのボールを取ると、ポイッ、と私の手前に落ちるくらいにボールを投げた。
Aちゃんも投げてみて、と言われたので、手元にあった緑のボールを同じように投げた。
それだけで、上手だね、と褒めてくれる。
この笑顔を、穏やかな心を、私が守るんだ。
｢ワン！！｣
『わ！』｢うわ！｣
改めて決意をした時に、モンちゃんがボールプールに飛び込んできた。
大量のボールが宙に舞い、プール外に落ちていく。
｢ビックリしたねAちゃん、モンちゃんも一緒に遊びたかったんだね。｣
私の頭を優しく撫でたあと、転弧くんはまだ残っているプール内のボールを手に取り、ニコッと口角を上げた。
｢Aちゃん、モンちゃん、僕はね、今どんな困難にも立ち向かえる気がするよ｣
意図のない発言に思えたが、きっとお昼に見た写真の効果だろう。
ずっと否定されていた憧れを、おばあちゃんがヒーローだったという事実が転弧くんの背中を押したのだ。
転弧くんはボールの匂いをモンちゃんに嗅がせて、プールの外にボールを投げた。その瞬間。
｢いたっ！？｣
転弧くんのボールを放った手に痛みが走った。
投げたボールに目をやると、プラスチックの破片が散っているように見えた。
これは……
バンッ！
｢転弧！書斎に入ったな！？｣
突然ベランダの窓が勢いよく開いて、目をやると、父が鬼の形相でそう言い放った。
｢弧太朗さん！？なに？急に…｣
母の言葉を無視して、ザッザッと音を立てて近づいてくる。
私は転弧くんにしがみついた。絶対に転弧くんに手をあげさせない。
そんな思いも裏腹に、父は私のことをいとも簡単に持ち上げた。
｢Aを家に入れろ……何してるんだ｣
そう簡単に、引き下がらない！
母に私を渡そうとした父のシャツを、グッと握った。
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野咲 春風(プロフ) - ささみさん» コメントから長く日にちが経ってしまって返信するのも申し訳ないのですが、凄く嬉しいです(TT)ありがとうございます！ (2022年4月6日 13時) (
レス) id: 2ac748f10c (このIDを非表示/違反報告)
ささみ - 簡単なコメントでごめんなさいですけど好きです！！頑張ってください！ (2021年9月19日 20時) (レス) id: 76759c51ff (このIDを非表示/違反報告)
野咲 春風(プロフ) - あまねさん» おコメントありがとうございます！うおおお…嬉しいです！嬉しすぎます！！ありがとうございます<(_ _)>もっと楽しんで頂けるよう更新頑張ります！ (2021年9月11日 9時) (レス) id: 2ac748f10c (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 1話1話の内容が読み応え(濃くて)があって、読んでいると時間を忘れる作品でした！更新頑張ってください（ｹﾗｯ (2021年9月11日 8時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
野咲 春風(プロフ) - かりめさん» おコメントありがとうございます！はめフラ凄い面白いですよね！早くはめフラのようなハーレムをおこせるように頑張ります！ うわあああ恐れ多いお言葉…！ありがとうございます！励みになります！！(TT) (2021年9月7日 18時) (レス) id: 2ac748f10c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：野咲 春風 | 作成日時：2021年8月26日 2時
