3.引越し編 ページ19
啓悟くんと会えなくなって、3年が経ち、私は5歳になった。
最初は窓を開ける癖が抜けなかったが、数ヶ月後には、母が彼氏と別れてしまい、私は2階の部屋から開放され、窓に近づく事は無くなっていた。
でも、私は啓悟くんの事を思わない日は無かった。
ヒロアカの登場人物だから、とかじゃなくて、私のこの人生に関わってくれた、一人の"人間"として、また会える日を願っていた。
そんなある日のこと。
母がウキウキしながらスマホを見ていた。
｢ねぇ、見て、この人なんだけどー｣
そこには一人の男性が映っていた。
｢一緒に住もうって言われちゃったんだよね〜｣
『え、この人彼氏さんなの？』
｢そ、イケメンでしょ？まぁ1回も会ったことはないんだけどねー｣
それは付き合ってるって言うのか！？と思ったが、口に出したら確実に殴られるので言わない。
｢まあずっとここに居る理由もないし、"たっくん"家に住めればいいかなーって｣
母の彼氏は"たっくん"さんらしい。
そして、父と過ごしたこの家にも、もう未練はないみたいだ。
｢じゃ、近々引っ越すから、あんた、荷造りしときなさいよ。｣
『え、わ、私も行っていいの？』
今まで母は、男性に私の存在を隠してきた。
着いて行っていいってことは、私の存在を受け入れてくれるということなのか…と少し嬉しくなった。
｢あんたがいないと私が働かないと行けないでしょ？たっくんもフリーターだし。あんた、腕に傷があるから、その分、手当て？みたいなんで結構貰えんのよ。 じゃないと、とっくに捨ててるっての。自分の子じゃないんだし。｣
ああ…期待した私がバカだった。
私の喜びは、パリンと砕け散り、部屋に戻って静かに荷造りを始めた。
＿
引越し当日
役所等の手続きも無事済ませ、私は母と飛行機で引越し先の静岡に向かった。
そう、静岡だ。
どこに行くなんて気にしてなかった私は、そう言えばと思って確認したら、言ってなかったけ？と昨日母から告げられた。
私にとって静岡といえば、さわやかハンバーグか、かっちゃんとデクである。
やばい、嬉しい。
いろいろあって、割と気持ちが沈んでいたが、今、私の心はウッキウキだ。
もしかしたら、会えちゃったりするかもしれない。
そんな微塵しかない可能性に期待しながら、静岡の地に足を踏み入れた。
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野咲 春風(プロフ) - ささみさん» コメントから長く日にちが経ってしまって返信するのも申し訳ないのですが、凄く嬉しいです(TT)ありがとうございます！ (2022年4月6日 13時) (
レス) id: 2ac748f10c (このIDを非表示/違反報告)
ささみ - 簡単なコメントでごめんなさいですけど好きです！！頑張ってください！ (2021年9月19日 20時) (レス) id: 76759c51ff (このIDを非表示/違反報告)
野咲 春風(プロフ) - あまねさん» おコメントありがとうございます！うおおお…嬉しいです！嬉しすぎます！！ありがとうございます<(_ _)>もっと楽しんで頂けるよう更新頑張ります！ (2021年9月11日 9時) (レス) id: 2ac748f10c (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 1話1話の内容が読み応え(濃くて)があって、読んでいると時間を忘れる作品でした！更新頑張ってください（ｹﾗｯ (2021年9月11日 8時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
野咲 春風(プロフ) - かりめさん» おコメントありがとうございます！はめフラ凄い面白いですよね！早くはめフラのようなハーレムをおこせるように頑張ります！ うわあああ恐れ多いお言葉…！ありがとうございます！励みになります！！(TT) (2021年9月7日 18時) (レス) id: 2ac748f10c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：野咲 春風 | 作成日時：2021年8月26日 2時
