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家に着くなり、スリッパを投げつけられた。
｢顔見せないで｣
母は、リビングのテーブルで顔を埋めた。
｢最悪マジで……｣
と聞こえてきたのは、口元が見えないから、口にしたのか、"心の声"なのか分からなかった。
私は寝室に置いてある"モンちゃん"を抱きしめて、横になった。
モンちゃんからは、"暖かい感情"が流れてくる。
『ありがとう、モンちゃん…』
でも、私の"これ"は"個性"じゃないと診断された。
初めて"これ"を感じたのは、実の父から見えた、"黒いチリのようなもの"
その後、おじいちゃんとおばあちゃんとお母さんからも、"それ"は見えた。
それに、庭に閉め出された転弧くんからも【誰か助けて】と声が聞こえた。
"個性"だと認識して無かったが、お昼に、母に質問された時、もしかしたら、と思い、オブラートに包んで、打ち明けた。
その結果が、これだ。
『"個性"、ないんだ…私…』
頬を伝った涙は、腕の中のモンちゃんに吸い込まれていった。
＿
いつの間にか寝てしまった私は、モンちゃんを抱きしめたまま、ドアの隙間から明かりが漏れている、リビングに向かった。
｢そんな事ある？俺らの時代ならまだしも…｣
｢私の時もそんなんいなかったわよ！"無個性"なんて！｣
そのやりとりに、私は足を止めた。
｢あー！もう何でいつもこうなの私！結婚したら子ども出来なくて、里親になれたと思ったらこの仕打ちだよ！私が何したっていうのよ！！｣
『ごめんなさい……』
自然と零れた私の声に、両親の会話が止まった。
途端、半開きだったリビングのドアが乱暴に開いた。
鬼の形相の母が、私を見下ろしている。
｢ごめんなさい、ごめんなさいって…一回も反省なんかした事ないんでしょ？！嘘ばっかついて人を馬鹿にして！アンタのせいで…｣
｢おいやめろ、Aに言っても仕方ないだろ！まだ二歳だし、これから発現する可能性だって…｣
｢レントゲン撮ったんだよ！コイツの足の小指には関節が二つあって、"無個性"の体質だって言われたんだよ！関節無くせば"個性"が生まれんのかよ！んなわけないだろ！
コイツは！"無個性"なんだよ！！｣
母にハッキリ言われたその時、プツンと何かが切れた。
あーあ、⬛︎⬛︎⬛︎ちゃん家だったら、"無個性"の私のことも受け入れてくれたのかなぁ。
…あれ？私いま、誰を思い出したんだろう。
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野咲 春風(プロフ) - ささみさん» コメントから長く日にちが経ってしまって返信するのも申し訳ないのですが、凄く嬉しいです(TT)ありがとうございます！ (2022年4月6日 13時) (
レス) id: 2ac748f10c (このIDを非表示/違反報告)
ささみ - 簡単なコメントでごめんなさいですけど好きです！！頑張ってください！ (2021年9月19日 20時) (レス) id: 76759c51ff (このIDを非表示/違反報告)
野咲 春風(プロフ) - あまねさん» おコメントありがとうございます！うおおお…嬉しいです！嬉しすぎます！！ありがとうございます<(_ _)>もっと楽しんで頂けるよう更新頑張ります！ (2021年9月11日 9時) (レス) id: 2ac748f10c (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 1話1話の内容が読み応え(濃くて)があって、読んでいると時間を忘れる作品でした！更新頑張ってください（ｹﾗｯ (2021年9月11日 8時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
野咲 春風(プロフ) - かりめさん» おコメントありがとうございます！はめフラ凄い面白いですよね！早くはめフラのようなハーレムをおこせるように頑張ります！ うわあああ恐れ多いお言葉…！ありがとうございます！励みになります！！(TT) (2021年9月7日 18時) (レス) id: 2ac748f10c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：野咲 春風 | 作成日時：2021年8月26日 2時
