9話 ページ11
…一言で言えば終わった
いや、本当にライブが終わった
あの後の事は覚えてない気づいたら終わっていて
スタッフさんに、声をかけられた
スタッフ｢すいません、ご退場お願いします｣
そう、周りには人が居なかった
完全に私だけ…何処まで呆然としてたんだか
｢あ、すいません｣
恥ずかしさで慌てて荷物を持てば私は会場を去った
さいたまスーパーアリーナは大きくて
電車で会った人は有名だと直ぐに分かる
実際に有名だし。
けどさ…電車で会わなければ良かった
嬉しくない訳では無いけど
でも…それでも…
｢胸が痛い｣
特別だって思ってしまう
あぁやって会える事なんて無いだろうし
…でもダメ、抑えろ
夢見ていい歳じゃ無いだろう
？？｢あ、あの！｣
帰ろうとしたら聞いた事のある声
振り向けばホスト君もとい、まふ君が居た
？？｢これ、落としました！｣
｢…それ、パスケース｣
会場で落としていたらしく私の席だったし
届けに来てくれたらしい。
ーズキ
…まただ、心が痛くなる
｢…ありがとうございます｣
受け取って直ぐに帰ろう…そして二度と
ライブには行かない。
パスケースを、受け取り帰ろうとしたら
まふまふ｢あの！！｣
また、まふくんに声を掛けられる
｢…はい？｣
振り向けば少し頬の赤い、まふくん
期待したくないのに期待してしまう…
まふまふ｢良かったら…れ、連絡先交換しませんか？｣
｢何故…私ですか？｣
素朴な疑問だ…私よりも可愛い子なんて
5万も居る今日だって何人も見たし
こんな地味な奴放っておけばいいのに
まふまふ｢で、電車で見かけた時から気になってました！ぼ…僕とお付き合いを前提にお友達になって下さい！｣
…この人は何を言ってるんだ？
お付き合いを前提に？
…私を？
｢…友達は良いですけど…｣
友達は嫌じゃない逆に嬉しい
憧れてる人だし…でも連絡先なんて交換していいのか？
まふまふ｢これ、僕のLINEのIDです！｣
IDが書かれてる紙を半ば強引に私の手に乗せれば
｢じゃあ、失礼します！｣と行ってしまった
とりあえずは…家で考えるか
今日は色々ありすぎたから…
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作者名：ゆるたぬ | 作成日時：2019年2月13日 2時
