【NCT】Flower【TY】-2- (ページ9)

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｢誰かの名誉を借りるのはダメなことかな？｣

そう聞くと姉さんは笑った。

｢ダメなわけ無いじゃない！それも貴方の力よ。
名誉ある人とはそう簡単に親しくなれないんだから。
そう言う人と仲良くなれたのは、その人の実力なんだから。｣

私の近くにいる人は優しい人ばかりだ。

｢まあ、中には色々言ってくるやつもいるけど。
そう言ってきた奴には逆に｢貴方はそんな人と仲良くなれるの？｣って言ってやればいいのよ。｣

姉さんに話すと、ズッシリと重たかった気持ちが軽くなった。

自分の事は自分でしなきゃとずっと気を張っていたけど、兄さん達の優しさに甘えていいんだと思うと肩の力が抜けていくのを感じた。

兄さん達の力を借りながらも、着々と私の名前が世間に広がって行った。

これも"私"と言う人間の売り方だと受け入れると、ビックリするほど今を楽しめるようになってきた。

「よし。デビュー後も立て続けに曲を出せるように作業頑張るぞ！」

デビューの準備をしてる間にも、次を見越して曲作りができる時は作るようにしていた。

その努力のおかげで、あと２回はアルバムが出せる量にはなった。

基本は自分の作業室のデスクの大きなpcの画面を見ながら曲作りをするが、今は忙しいため作業用のタブレットを持ち歩き暇があれば触っている。

タブレットを見つめる視界の隅に、紙コップが置かれたのに気づき視線を上げると、目の前の席ににはジョシュア兄さんが座っていた。

「お疲れ様。」

「お疲れ様です。コーヒーありがとうございます。」

座ったまま背筋を伸ばし会釈をする。

ジョシュア兄さんから頂いたコーヒーを口に付ける。

「何してるの？」

「あ、曲作りを。」

「いつも(タブレットを)触ってるけど、ずっと曲を作ってるの？」

「そー…ですね。」

「無理したらダメだからね？」

練習生の頃からジョシュア兄さんは私をよく気にかけてくれていた。

スニョン兄さんやスングァン兄さんが私を元気づけてくれる人なら、ジョシュア兄さんは私の悩みや不安を吐かしてくれる人だ。

「デビュー日までやる事は沢山あるんです。ダンスも身体に覚えさせたいし、歌もすぐ歌えるように慣れていたい。
でも、私が出来る一番のことは得意とする作曲だから。今にしか感じれない気持ちを曲として物にしておきたいんです。」

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