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現在デビュー会議の中で、容姿に関する会議が行われている。
アルバムのテーマに寄り添い髪型や衣装･メイクを決めていくのだが…、
｢いーや！こっち！｣
｢ダメ！こっちがいい！｣
衣装担当の姉さんと髪型担当の姉さんが喧嘩中である。
｢Aは可愛い系なの！｣
｢でも体型では格好いい系でしょ!?｣
こう言うやり取りを見て｢愛されてるな〜。｣なんて思ってしまう私は平和ボケすぎるのだろうか。
｢お前ら！いつまでその言い合いしてるんだ。｣
痺れを切らしたのは師匠だった。
｢ったくもう。Aが全部決めちまえ。｣
二人のお姉さんが広げていた資料が私の前に飛んできた。
一枚ずつ目を通していくと、二人の理想は違えど"素敵"だと感じた部分が両方に沢山あった。
｢衣装のここを残したまま、この髪型の部分に合わせてこうするのはどうですか？｣
素敵な部分だけ合わせれば、もっと素敵な物になるはず。
｢なるほど。｣
｢うちの子天才…。｣
｢今に始まったことじゃないわ。｣
｢それな。｣
二人のお姉さんに撫でくり回されながらなんとか会議が無事に終わった。
蚊帳の外にいたメイクさんが最後に私に近づいてくる。
｢髪型と衣装がこうなるなら、日本のKAWAIIに合わせてみても良さそうだよね〜。｣
髪型･衣装担当の二人はザお姉さんって感じだけど、メイクさんはゆったり雰囲気。
｢うん。Aちゃんは可愛いね〜。｣
なんてふわっふわした笑顔でそう言われると、胸がキュッとする。
｢可愛いオンニに言われたら照れちゃう。｣
｢ふふ。可愛い〜。｣
ちなみに、このお姉さんは私がスカウトしました。
｢さて、9割は決まってきたな。｣
｢はい。｣
会議を何度も重ねてデビュー日も決まった。
そんな私のデビューは普通の歌手とは違っていた。
それはTVには出ないこと。
元々人前に出るのに苦手意識があった。
自分を知らない人に向けられた目線などを気にしてしまったり、どう思われてるか気にしたりして怖くなるから。
でも、私を歌声を好きだと言ってくれる人だけが集まる場なら姿を表せる勇気は出る。
だからサイン会やライブはするつもりである。
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作者名：ゆうな
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/b115645c0f1/
作成日時：2022年10月13日 15時
