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それから約一週間、毎日が忙しかった。
ほぼ寝ていない日が続いていた。
ヘアメイクされてる間は毎回夢現で。
そんな私に気づいたスタッフさんは皆そっとしておいてくれていた。
「身体中が痛い。」
寝不足なうえに長らくベッドで寝ていない。
「もう少しの辛抱よ。」
「はいぃ〜。」
あと三回。
あと三回TV番組に出れば後はゆっくり出来る。
そう思いながら自分に鞭を打つ午前三時。
「今日もよろしくおねがいします。」
今日は収録日。
リハを一度してその後にファンをスタジオに入れて本番をする。
それが今日の一連の流れ。
ファンも深夜に応援しに来てくださっていて、眠たいだろうに大きな歓声を出してくれる。
そんなファンのためにも今日も頑張るぞ！！
そう意気込んでスタジオ内のステージに上がった。
───
「お疲れ様でした。」
今日関わってくれたスタッフさん達に挨拶をして楽屋に入る。
デビュー7日目にもなれば、少しづつ慣れて楽屋に入った後も緊張しなくなった。
むしろ、初めての場所のはずなのに安心する。
今日は何故か心に余裕があって、椅子に座るとデビューまでの流れが思い出していた。
沢山の人に沢山のサポートをしてもらいながら、沢山準備したなー。
とか、
普段運動しない人間の私が、毎日トレーニングやらレッスンやらで身体バキバキになったなー。
とか。
大変だったけど今までに無い程充実した日々だった。
それが結構楽しかった。今の音楽活動もすごく楽しい。
だからこの日々があと三日で終わるのは…ちょっと寂しい。
でもまた新曲を出せばこの楽しさが始まると思うと、楽しみである。
歌手としてデビューする気は無かったけど…、
「歌手になれて良かったな。」
そう心から思うと、胸の奥から暖かいものが溢れ出した。
"歌手にならない？"
上の人に言われて良かった。
そう思ってもらえる歌声で良かった。
良い人に恵まれて良かった。
今私、全てに感謝したいです。
«テヨンさん:遅くなったけどデビューおめでとう。またスタジオで会えたら良いね！»
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作者名：ゆうな
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/b115645c0f1/
作成日時：2022年10月13日 15時
