ページ ページ10
.
｢ワン･ツー･スリー･フォー、右に一回転。｣
初めましてから約数分でダンスレッスンが始まった。
さすがSM。
デビュー枠じゃなくても、生徒達は覚えるのが早い。
私も2年間ダンスレッスンをしてきたけど、2年じゃ足りないことを痛感させられる。
｢はい！一旦休憩。10分後にまた始めるから。｣
休憩は10分。
２時間の激しいレッスンに10分は不釣り合いだ。
でも周りを見渡すと、皆すぐに息を整えてる。
しかも、自習をする子もチラホラと見える。
｢大丈夫？｣
色んな子が心配した顔をして近寄ってくる。
｢大丈夫…、じゃないかな。いつもっ、こんな感じなの？｣
合間に深呼吸をしながら質問をすると、女の子達は顔を見合せた。
｢いつもは１時間に10分休憩なんだけど、近々先輩達のバックに付いてライブに出る事になったの。｣
なるほど。
だから練習量が多いのか。
入ったタイミングを間違えたと少し後悔をした。
｢レッスン再開するよー！皆位置について。｣
｢｢｢お疲れ様でした！｣｣｣
初日のレッスンがついに終わった。
10分休憩を挟みながら約6時間ひたすら踊り続けた。
｢初日からハードだったよね？大丈夫？｣
｢大丈夫じゃないけど、絶対慣れてみせる！｣
作り笑いを見せる。
追いついてみせるのは本心だ。
でも、それにはもっと練習しなくちゃならない。
｢個人レッスンに部屋を借りることって出来るの？｣
居残り練習がしたくて皆に聞いてみた。
｢えっとね、この部屋は閉められちゃうけど、隣の第７.第８の部屋は自由開放されてるよ。
でも…、｣
一人の子が説明してくれたが、最後言葉を詰まらせた。
｢何かあるの？｣
｢…｣
不安そうに顔を見渡し頷いた。
｢２部屋とも、ルーキーの子達が使ってるの。
その為
女の子達の表情に、ルーキーズとの差に悩まされていることに気づいた。
そりゃそうだよね。
枠組みされてる時点で、自分達は劣っていることを見せつけられてるんだから。
良い気はしないわな。
｢でも、入れないことはないんでしょ？｣
逃げるより時間を無駄にする方が嫌だ。
そう思った私は、隣の部屋へ走り出した。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 546人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「NCT」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆうなす
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/b115645c0f1/
作成日時：2022年9月29日 18時
