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スマホから音が鳴り画面を確認すると、"テヨンさん"の文字が。
進行中だった作業を一旦終え、緑の受話器をスライドさせた。
《ヨボセヨ？》
「ヨボセヨ。お仕事お疲れ様です。」
いつもより明るい声が受話器越しに聞こえる。
《今やっと終わって宿舎に帰るんだけど…。》
「今移動中ですか？」
《そう。雨降ってて渋滞気味なんだよね。》
そう言われ締め切っていたカーテンを開ける。
「本当だ、雨降ってる。」
独り言の様に呟くと、テヨンさんが反応をしてくれる。
《今気づいたの？》
「あっ、はい。」
引き籠もりなのがバレたと思い恥ずかしくなる。
《最近外に出てる？》
やっぱりバレたか。
「いえ。最近ずっと作業続きで…。」
そう言うとテヨンさんが唸る。
《…よし。近々外で会わない？》
まさかの誘いに変な声が出る。
「でも、撮られたりしませんか？」
《夜遅くに会うなら大丈夫かな…って思うんだけど、どう？》
テヨンさんと夜景…、これは眼福過ぎませんか？
ふわっと脳裏にその光景が広がる。
妄想だけどヤバいほど美しい。
「いいんでしょうか？」
《うん。というか会いたい。》
どうしたんだろ？
今日のテヨンさんのテンションが可笑しい。
「あの、テヨンさん。」
《なに？》
「お酒飲みました？」
《え!?飲んでないよ！》
じゃ、何でこんなに元気なんだろう？
少し心配になるほどテヨンさんの声が甘い。
考えていると、テヨンさんの後ろから言葉が分からないが誰が話している声がした。
《…え？あぁ〜。そうかな？》
後ろにいる人と何か会話してる様だった。
置いてけぼりにされていると、スマホから乾いた音を出した。
《ヨボセヨ〜！ジョンウです！》
乾いた音をが消えると、テヨンさんでは無くジョンウさんの声が聞こえた。
「こんばんは。皆さんいるんですか？」
《そうです！そうそう、テヨンイヒョンが元気な理由気になりますか？》
「え？…はい。」
《実はヒョン──…あっ！ちょっ、待ってくださいよ！》
ジョンウさんが話してる最中にまた乾いた音がする。
「ジョンウさん？どうしましたか？」
《ごめん、なんでもないから！気にしないで！》
次に聞こえたのはテヨンさんの声だった。
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作者名：ゆうなす
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/b115645c0f1/
作成日時：2022年9月29日 18時
