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「でも…」
「もー！テヨンイヒョンもヌナも、奥手すぎるよ！」
そう怒り出したヘチャンがマークのスマホを奪うと、素早い動きで文字を入力した。
「よし！完璧。」
ドヤ顔でマークにスマホを返す。
返ってきたスマホの画面を一目見てから私に画面を見せてきた。
「ヘチャンの方が早かった。」
そこにはメッセージアプリで《AってAヌナらしいですよ。byヘチャン》と書いてあった。
「うぇ!?嘘っ、送ったの？」
マークの手からスマホを奪い取り画面がよく見えるように自分の前へ持っていった。
「どうしよう、素っ気ない返事だったら。」
泣きそうな顔でマークを見ると、「大丈夫だよ」なんて他人事のような返事が来た。
マークは頼りにならないと思いながらもう一度画面に目を向けると、いつの間にか"既読"が付いていた。
「ああ、マーク返す！」
返事が見るのが怖くて慌ててスマホを返した。
マークが手にした瞬間返信が来る音がする。
「なんて？」
ヘチャンくんとジェノくんがマークを挟んで画面を覗く。
「《どこで知ったの？》だってさ。なんて返す？」
なんて私を見ながらマークが言う。
「なんてって…なんて返すのさ。」
「んー、じゃあ……本人から聞いたよっと。」
マークからまたスマホを奪ったヘチャンくんが、口に出したながらメッセージを打った。
「《今どこにいるの？》だって。」
「なら、事務所に居ますよっと。はい。」
次はジェノくんがヘチャンくんの手からマークのスマホを奪いメッセージを送った。
「返ってきた？」
ヘチャンくんがジェノくんの手元を覗く。
「《今から行くって。byユタ》だって。」
「良かったじゃんヌナ。テヨンイヒョンが来るって。」
ジェノくんの読み上げにヘチャンくんが私にそう言ってきた。
「待って！私がAと知られるよりも、もっと心の準備がいるよぉ！！」
スタジオの奥にあるソファーと壁の間に逃げ込んだ。
むり無理ムリ！！
今から来るなんて聞いてない！
私は聞いてないから！
ああ、どうしよう。
今日の服装めっちゃダサい。
顔もほぼスッピンだし。
幻滅されたらどうしよう…。
私は半泣きになりながら蹲った。
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作者名：ゆうなす
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/b115645c0f1/
作成日時：2022年9月29日 18時
