red spider lily ページ31
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OSTに参加してから、徐々に楽曲提供が出来るようになった。
たまに名の知れた歌手にも歌って貰えたりもしてる。
｢それにしても、天才の成長は早いな。｣
営業に出るのに師匠が付いてきてくれた。
それも、今日は師匠の知り合いに自分を売り込む機会を頂いたから。
一緒に外に出たついでに師匠が飲み物を一杯奢ってもらえることに。
目の前で優雅にコーヒーを飲む師匠は、私を"天才"とよく褒めてくれる。
｢天才じゃないですよ。｣
師匠に奢ってもらったミルクラテを一口飲む。
｢知ってるか？努力と天才は紙一重なんだぞ。
お前が沢山努力したから成長が早かった、だから"天才"と呼ばれるんだ。｣
師匠はたまに格好いい言葉を言ってくれる。
｢ありがとうございます。｣
この後もう一社に営業をする。
そこは久しぶりの訪問になるSMentertainment。
｢お久しぶりです。｣
通された部屋に居たのはイ･スマンさんの一人だけ。
私と師匠が椅子に座ると、待ってましたとばかりにイ･スマンさんが話し出す。
｢久しぶりだね。聞いてるよ、キミの活躍を。｣
SMを代表するプロデューサーにお褒めの言葉を貰って嬉しさが顔に出てしまう。
｢ありがとうございます。活躍出来ているのも、SMでの経験があったからです。
その節はお世話になりました。｣
軽い挨拶を交わした後に本題に入る。
｢私が作った中で、特に出来が良かった曲を持ってきました。｣
｢３曲も持ってきてくれたんだね。｣
｢はい。少なかったでしょうか？｣
｢いや、新人にしては上出来だ。｣
デモが入ったCDをPCに入れ聴き始めるイ･スマンさん。
３曲聞き終わるまで、私達はただ静かに待つ。
約６分後、静かに両耳からイヤホンを外すイ･スマンさんに私は肩に力を入れた。
｢どうですか…？｣
｢言葉一つ一つが丁寧だね。気に入ったよ。｣
｢ありがとうございます！｣
｢３曲ともウチが使っても？｣
｢はい！もちろんです。｣
３曲共SMに気に入ってもらえた。
今後、誰の曲になるのかが楽しみだ。
｢ちなみに、誰に歌って欲しいかの希望はあるかい？｣
誰に歌って欲しいか…か。
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作者名：ゆうなす
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/b115645c0f1/
作成日時：2022年9月29日 18時
