【NCT】Flower【TY】 (ページ22)

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Red Hot Poker TYside ページ22

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前話から少し遡る。

彼女がSMを去ることを知らずにデビュー前の仕事をしていたある日。

朝から忙しかった仕事を終え宿舎に帰宅し自室に入ると、少し遅れてマークが部屋を尋ねてきた。

｢ヒョン、おかえりなさい。｣

｢ただいま。どうしたの？｣

午後が休みだったマークが"おかえり"と言いに部屋まで来てくれた。

着替えてる途中だった体をマークの方へと向けると、手にはプレゼント用に装飾された袋を持っていた。

｢これ、Aからです。｣

その言葉に、口より体が先に動いた。

袋を受け取ると、中には大きめの箱と手紙が入っていた。

手紙をゆっくり開くと、彼女の雰囲気と同じ柔らかい文字が書かれていた。

"テヨンさん。お元気ですか？

NCTとしてデビューが決まってからは、なかなか会えないままSMを去る日が来てしまいました。

実は私、SMの練習生を一年間だけの契約で入っていたんです。

ずっと言えずにすみませんでした。

この一年の間、テヨンさんには沢山のことを教えてもらいました。

今までのお礼に、ささやかながら贈り物を送らせていただきます。

最後に、初めて見たテヨンさんのダンスに一目惚れをしてからずっとテヨンさんに思いを寄せていました。

テヨンさんの負担になりたくなくて、ずっと言わないようにしていたのですが、私が後悔したくなくて手紙と言う形で伝えさせてもらいます。
返答は必要ありません。

これからはファンとしてずっと応援してます。

A"

彼女がもうSMに来ないことをこの手紙で初めて知った。

そして、彼女と両思いだったと言うことも。

あの時自分からもっと近づいていたら、何か変わっていただろうか。

僕が気持ちに素直になって伝えていれば、今隣にいてくれただろうか。

…それは無いか。

もし両思いだと気づいていても、彼女は僕の気持ちを受け入れなかっただろう。

練習生に恋愛は御法度だと言うのは当たり前だ。

何より彼女は、僕と僕の周りを考えてくれていたから。

｢…情けないね。｣

目の前で佇むマークに聞こえるように言う。

｢年下の好きな子に、ずっと守ってもらっていたなんて。｣

僕が彼女を支えていたと思ってたけど、その逆だったんだね。

こんな惨めで切ない終わりがあるだろうか。

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