TYside ページ38
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「消した方がいいですよね？」
慌てていると、そう彼女は言った。
このままじゃせっかくのチャンスが無くなる。
そう思いながらチラリとユタの顔を見ると。まるで"自分で決めろ"と言わんばかりの表情をしていた。
「あ、いや。消さないで！…ください。」
ユタがくれたチャンスだから絶対に無駄にしたくない。
自分の顔が熱くなるを感じ彼女に気づかれないように俯いた。
「いいんですか？」
「うん。僕も聞こうとしてたから。」
目線だけを上げ彼女の顔を見ると僕と同じだった。
小さく笑った彼女に再度胸を打たれる。
やっぱり僕は彼女が好きだ。
デビューする前から僕を見ていてくれた。
そして彼女もまだ僕を慕ってくれてる。
その反応はそうだよね？勘違いじゃ無いよね？
「良かったじゃん。」
耳打ちをしてくるユタ。
「大丈夫。お前は格好いいんやから自信持て。」
「ありがとう。」
ユタのお陰でやっと彼女との繋がりを持てた。
彼女が帰る時間になり僕がロビーまで見送ることになった。
それもユタのおかげだ。
「すみません、ロビーまで送って貰っちゃって。」
「ううん、気にしないで。
長く付き合わせちゃってごめんね？」
「いえ！すごく楽しかったです。
久しぶりに沢山の人と話せたから。」
本当に嬉しそうな顔をするからこっちまで嬉しくなる。
「変わらないね。」
そう僕が言うと、彼女は眉を上げてこっちを見た。
「昔からそばに居る人を幸せにする所。」
彼女が笑えばどんな理由でも幸せに感じた。
「そうなんですかね。自分では分からないです。」
照れくさそうに笑う彼女を愛おしく感じる。
もっと仲良くなりたい。
あの時に越えられなかった壁を越えていきたい。
出来ることなら両思いに。
なんて夢を見過ぎるだろうか。
いや、夢で終わらせないためにも自分から近寄らなきゃ。
「今晩、メッセージを送ってもいいかな？」
今1番出せる勇気をキミに。
「…はい！もちろんです！」
頬を少し赤く染めて笑う彼女。
「じゃ日付が変わる前には送るね。」
「はい。テヨンさんからの連絡は、何時でも待てます。」
その言葉は僕にだけ言ってくれてるんだよね？
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作者名：ゆうなす
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/b115645c0f1/
作成日時：2022年9月29日 18時
