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"婚約者"との約束の日を迎え、崇裕は着慣れない正装に身を包んで鏡の前にいた。
細長い手足がよく映える黒の衣服は、普段のぼんやりとした穏やかな崇裕のイメージとは掛け離れており、何だか違う人みたいだ、と望は眉をひそめた。
「変じゃない？」
「よくお似合いですよ」
「ほんま？なんか変な感じするわ」
「素敵です」
望は歯がゆい笑顔を見せる。
その理由は、今回の外出に望が着いて行けないことにあった。
崇裕の父の来客の対応をする予定だった使用人が体調を崩してしまい、代理として選ばれたのが父からの信頼の厚い望だった。
崇裕に何かが起こらないか、崇裕と結婚をする人はどんな人なのか、自身の目できちんと見てやりたかったのに。とため息を吐いた。
「大丈夫やって」
「す、すみません……」
「流星も一緒に行ってくれるみたいやし」
崇裕がそう言うと、丁度いいタイミングで通りかかった使用人の流星が、部屋に顔を覗かせた。
「お呼びですか？」
「望がめっちゃ心配性やねん。流星も付いてるから大丈夫って言ってただけ！」
「あぁ、なるほど。望、安心して。崇裕様がなんか失敗しそうなっても俺が上手いことカバーするから」
「おい！なんで俺が失敗する前提やねん！」
望に親指を立てた流星に、声を上げた崇裕。
望が心配している要因はそちらではないのだが、流星と崇裕の掛け合いの明るさに思わず笑ってしまった。
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ひなこ(プロフ) - はまさん» 素敵なコメントありがとうございます！お互いを想い合う重い雰囲気で書くように心掛けていたお話なので、そういう風におっしゃっていただけると嬉しいです…！criminal編も気長にお付き合いいただければと思います！ (2023年1月30日 11時) (
レス) id: 899898d885 (このIDを非表示/違反報告)
はま(プロフ) - 初コメ失礼します！ 誰よりも崇裕のことを想ってる望かっこいいし、健気な崇裕が可愛すぎて爆発しました…！！恐怖が待ち構えているかもしれないのに駆け落ちの覚悟を決める2人の愛が素敵です！素敵な小説ありがとうございます！これからも楽しみにしてます！ (2023年1月30日 0時) (レス) @page27 id: 5db2b05125 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひなこ | 作成日時：2023年1月17日 21時
