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「明後日、初めてその人と会うねん。何か失敗してしまわんか、今から緊張するわ」
「崇裕様はそのままで十分魅力的ですよ。大丈夫です」
「嬉しいこと言うてくれるやん!」
あはは、と賑やかな笑い声を上げる崇裕につられて、望も笑みをこぼす。
ただそこにいるだけで花が咲いたように笑うこの人は、きっと本当に誰が見ても素敵な人だと望は胸が締め付けられる。
誰のものでもない。
確かに崇裕の口から聞こえた言葉に、安心と焦りを覚えた。
いつか自分のものになって欲しい、だなんて欲まで出てきて、ろくでもない執事になってしまったと落胆するも、先程重ねられた唇の熱が忘れられない。
好きだとか、愛しているだとかの明確な言葉が無くても、望を見つめる崇裕の目がすべてだった。
言葉には出来ない、してしまえば崩れてしまうような脆い関係が、ふたりをゆらゆらと繋いでいた。
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ひなこ(プロフ) - はまさん» 素敵なコメントありがとうございます!お互いを想い合う重い雰囲気で書くように心掛けていたお話なので、そういう風におっしゃっていただけると嬉しいです…!criminal編も気長にお付き合いいただければと思います! (2023年1月30日 11時) (レス) id: 899898d885 (このIDを非表示/違反報告)
はま(プロフ) - 初コメ失礼します! 誰よりも崇裕のことを想ってる望かっこいいし、健気な崇裕が可愛すぎて爆発しました…!!恐怖が待ち構えているかもしれないのに駆け落ちの覚悟を決める2人の愛が素敵です!素敵な小説ありがとうございます!これからも楽しみにしてます! (2023年1月30日 0時) (レス) @page27 id: 5db2b05125 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひなこ | 作成日時:2023年1月17日 21時