君の言い訳を聞かせて【taiga.k】 (ページ9)

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図書館2 ページ9

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何日か経って、ゆゆかから図書館のお誘いがあった日。

図書館の入り口で待っているが時間になっても来ない。
どうしたのだろうと思っていると、妹が熱を出して今日行けないとラインがはいっていた。

妹ちゃん大丈夫かな。

図書館に入るか迷ったが、せっかく来たから少しだけ勉強していこうと席札を取り椅子に座る。

ジャジャーン！
今日はちゃんと電子辞書を持って来ています！
カバンに入っていたノートを取り出した。
電子辞書のおかげで、サクサクと宿題が進んでいく。

しばらくすると、左隣に座っている人の荷物が、どんどん私のスペースに広がっていることに気づいた。

なんだよ、こいつ。
パーソナルスペースオーバーしまくりだって。

注意するのも怖いので肘でちょっとずつ押し込んでいく。

一度気になってしまうと、集中できなくなってしまうたちだ。
何度肘で押し戻しても、何かしら広げているようだった。

また肘で少しずつ押し込んで自分のパーソナルスペースを確保しようした時に、左隣の人が笑いをおし殺せなくなったようでくくっ！と笑い出した。

『……京本』

右隣を見ると、京本が座っている。

京「よっ！」

『よっ！じゃないから。
お前かい。私のパーソナルスペース侵害してたの』

京「いつ気付くかなーって思って」

『…最悪』

京「あー面白かった。フリースペース行こうぜ」

私の貴重品を持って、京本は地下に歩いていってしまった。
急いで机を少しだけ片して彼の背中を追いかける。

フリースペースに着くと、京本が座った隣の席の机にマミーが置いてあった。

京「どうぞ」

『今日マミーの気分じゃないんだけど』

京「めんどくせぇ女だな！」

『でもジュースに罪は無いので、ありがたくいただきます』

京「素直でよろしい」

『ねえ、いつから隣にいたの？』

京「言っとくけど俺の方が先に座ってたからな。Aが後から座って来たから」

『全然気付かなかった…』

京「俺は面白かったからいいけどね。
途中凄い顔してたよ」

『ほんとやめて笑』

今日はゆゆかの事を考えずに話ができる。
それだけで心が少し晴れやか。

そんな事を思ってしまった。

ゆゆかの恋を応援するって決めたのに、ドス黒い気持ちが渦を巻いてお腹に溜まっていく。
こんな私、知りたくない。

『もう帰るわ。マミーありがと！』

京「え、…おい！」

階段を駆け上って勉強スペースに戻る。
勢いよくカバンに荷物をしまうと、そのまま図書館を後にした。