君の言い訳を聞かせて【taiga.k】 (ページ4)

今日:6 hit、昨日:2 hit、合計:31,221 hit

. ページ4

.

ゆゆかは塾の友達と楽しそうにお話をしていて、塾に通っていない私は少しだけ疎外感を感じていた。
家帰ったらすぐ塾行きたいって親に言ってやろ。

プリンスから貰ったラムネのビー玉を、コロコロ転がして気を紛らわせていた。

「A！紹介するね！」

話がひと段落ついたのか、ゆゆかがこっちに戻ってくると、プリンスが目の前に立っていた。

「ゆゆかの幼馴染のAです。で、こちらが京本大我くん」

『はじめまして、Aです。ゆゆかがお世話になっております』

京「どうも、京本です」

『ラムネ美味しいです。ありがとうプリンス』

京「あ、もう知ってんのね」

プリンスと呼ぶと、プリンスは笑っていた。

塾の友達は意外にノリがよく会話も盛り上がり、あっという間に時間が過ぎてしまっていた。

『ゆゆか、そろそろ帰ろう』

時計を見るともう10時を過ぎてしまっていて、そろそろ帰って来なさいと親からのラインが入っている。

「もうちょっとだけ…」

ゆゆかも楽しいからここから離れたくないのだろう。少し渋っていた。

『ゆゆかのお母さんも心配してるから、もう帰ろう』

「A、彼氏かよ！」

『そうだよ！私がゆゆかの彼氏なんだから、勝手に手出したらマジでぶっ飛ばすからね！！！』

塾の友達のノリに適当に返しつつ、ゆゆかを連れて帰ろうとしていたが、それもうまくいかない。

『私、チャリとってくるから、戻って来たから帰るからね』

「…わかった」

しぶしぶ了承するゆゆかを置いて、自転車置き場にチャリを取りに行く。

まだお祭りは盛り上がっており夜道も明るい。
盆踊りを踊っている人々を横目にしばらく歩いていると、突然腕を掴まれた。

『…プリンス』

京「自転車置き場まで危ないから一緒に行く」

『これだけ明るいから大丈夫だよ。ゆゆかのとこ戻ってあげてよ』

京「俺が行くって言ってんだからいいの」

そのまま私の横を歩き出した。
ゆゆかごめんよ。
ゆゆかも一緒に来て貰えばよかった。

来てくれたのはいいものの、初対面のプリンスと別に会話することもなく無言で歩いていく。

すると突然プリンスが口を開いた。

京「ライン教えてよ」

『は？』

京「ライン」

.