また、 ページ5
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家にいても、嫌な空気が体にまとわりついてしまったようで。
居た堪れなくなってランニングウェアに着替えた。
十分ストレッチをして、扉を開けると、もうずいぶん日が傾いている。
男1人と言っても、イタリアの夜はそこまで得意じゃない。
サッと走って帰ろうと、助走をつけ始めた瞬間。
目の端に、茶色い髪の女性がしゃがんでいる様子が映った気がして、思わず引き返した。
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「なにしてんの」
ビクッと肩を震わせた彼女は、やはりさっきの彼女で。
道端にしゃがみ込んで、なにやら手元を動かしているようだった。
恐る恐る振り向いた彼女は、俺のスニーカーを見つめ、ゆっくりと顔を上げる。
「あ、さっきの」
知った顔だとわかったのか、効果音が出そうなくらい満面の笑みを見せた彼女。
そんなに嬉しいか、とこちらまで口角が緩む。
「みて、ほら」
彼女がしゃがむ隣に、同じようにしゃがむと。
「猫だ」
「かわいいですよね」
彼女の手にスリスリと顔を擦り付け、満足そうに目を閉じる野良猫の姿。
よしよし、かわいいね君は、と撫でる彼女。確かに、動物にも好かれそう。
「撫でてあげてください」
「ほら」と不意に手を取られ、ドキッとする。
彼女の手より遥かに大きい手に驚いたのか、猫が一瞬ビクッとして、また安心して目を閉じた。
「毛並みいいね」
「いいですよね。気持ちいい」
大事にされてるんだね、と目の前の猫に笑いかける彼女に、そうだね、と返す。
ふと、目の前にもう1匹仲間の猫が現れて、心地良さそうだった猫はそちらへ走っていく。
「あー、行っちゃった。バイバイ、またね」
猫にも手を振る彼女を見つめていると、さっきまで撫でていた猫が一瞬振り返り、そして尻尾を振りながら走っていった。
「バイバイって、言ってましたかね」
「んー、"撫で方30点"とかじゃない？」
「わー手厳しい」
上手い方だと思うけどなあなんて呟く彼女。
さっきより荷物が増えている気がするけど。
「何してたの？ここで」
「ああ、それが
ホテル、予約できてなくて」
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〇〇(プロフ) - いつもお話読ませて頂いてありがとうございます。ドキドキハラハラしますね。楽しみです。 (4月23日 11時) (
レス) @page41 id: 17708f6b5e (このIDを非表示/違反報告)
Yajirushi.(プロフ) - 〇〇さん» 読んでいただきありがとうございます（ ; ; ）更新速度が遅く、申し訳ありません。楽しんでいただけますと幸いです！ (4月6日 23時) (レス) @page33 id: 475853de31 (このIDを非表示/違反報告)
〇〇(プロフ) - とてもおもしろいです。続きが気になります！ (4月5日 20時) (レス) id: 17708f6b5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Yajirushi. | 作成日時：2024年3月3日 0時
