ナンパ ページ35
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___見ないで
そう言った彼女は、耳まで真っ赤で。
「…なんで？」
「……だって、
緊張、するから」
緊張？なんで？どういうこと？
俺の顔に？マークが浮かんでいたのか、Aちゃんは呆れたようにため息をついた。
「試合、楽しかったです」
「…うん」
「ルールは……あんまわかんなかったけど」.
「だろうね」
「でも、石川さんはすぐわかった」
「…」
「私ね、会場迷っちゃって、遅れちゃったの少し」
「…うん」
「必死にたどり着いて、会場に入って、コートを見た時、
ちょうど石川さんが1点決めた瞬間だった」
「…」
「靴が擦れる音と、石川さんがボールを打つ音と、飛んだボールが床に当たる音がして、
そのあと大歓声だった。
スローモーションみたいだった」
さっきとはうってかわってキラキラとした表情で話すAちゃんに、今度は俺が気恥ずかしくなってきてしまう。
コーヒーを一口含むと、俺の好きなコーヒーの味がした。
これが好き、と伝えるとまた買ってくる、と言ってくれた味。
「…かっこ、よかったです」
「へ」
咳払いを一つして、ふっと息を吐いた後、Aちゃんは俺を見つめた。
「かっこよかったです。すごく」
見つめた目はゆらゆらと揺れていて、頬は赤くなっている。
あんまりまっすぐ見つめられるから、俺もすごく恥ずかしくなって。
「ありがと」とぶっきらぼうに返してしまった。
「あの石川さんを思い出すと、すごく、緊張します」
かっこよくて、と付け加えると、服の裾をギュッと掴んで下を向いてしまったAちゃん。
そんな素直に表現されるなんて、思ってなかった。
やばい、嬉しい。
けど、さっきまで持っていた嫉妬心がまた腹の底から湧いてきた。
かっこいいなんて言ってくれるけど、ほんとは？
お世辞じゃないよね。舞い上がってるの、俺だけ？
「…ねえ、Aちゃん」
「はい」
「あの、さ。会場に知り合いでもいた？」
「え？」
「いや、ほら。男の人とさ、話してるとこ見えたから」
これじゃまるでずっとAちゃんを見てたみたいだ。
いや、確かに見つけた後はずっと目で追っていたけど。
恥ずかしくて、膝の上で握った自分の手を見つめる。
「いえ、知り合いじゃないです。初めて会いました」
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〇〇(プロフ) - いつもお話読ませて頂いてありがとうございます。ドキドキハラハラしますね。楽しみです。 (4月23日 11時) (
レス) @page41 id: 17708f6b5e (このIDを非表示/違反報告)
Yajirushi.(プロフ) - 〇〇さん» 読んでいただきありがとうございます（ ; ; ）更新速度が遅く、申し訳ありません。楽しんでいただけますと幸いです！ (4月6日 23時) (レス) @page33 id: 475853de31 (このIDを非表示/違反報告)
〇〇(プロフ) - とてもおもしろいです。続きが気になります！ (4月5日 20時) (レス) id: 17708f6b5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Yajirushi. | 作成日時：2024年3月3日 0時
