晴れ ページ31
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次の日、練習へ向かおうと自宅を出ると、エントランスの前で「石川さん！」という声に引き留められた。
「おはよ、早いじゃん」
そこには階段を駆け降りてきたのか、少し呼吸が乱れた様子のAちゃん。
昨日とは違って綺麗に巻かれた髪と、両耳には華奢なピアスが揺れている。
「昨日は本当に、ご迷惑をおかけしました」
「…」
「お見苦しい姿をお見せしてしまってすみません」
「…」
「…あの、石川さん？」
俺が黙っているから怒っていると思ったのか、心配そうな顔でこっちを覗き込んでる彼女。
「そうじゃなくて、」
「はい」
「ごめんなさい、とかじゃなくて？」
「？……あ、ありがとう、ございます…？」
「はい。どういたしまして」
へへ、と照れたように笑うAちゃんはいつも通りで。
この笑顔をまた見れて良かったな、と思った。
「…あのー石川さん…」
「ん？」
「この手は何でしょう」
耳を真っ赤にしている彼女は、彼女の頭の上に置かれた俺の手を指差している。
優しく撫でると、顔まで真っ赤にして俯いてしまった。
「もう泣かないように」
「大丈夫です！」
「ほんとに〜？寂しくて泣かない？」
「泣きません！」
「よだれ垂らしながら石川さ〜んって号泣してたのに」
「あ！誇張してる！嘘だ！」
頬を膨らませてそっぽ向いてしまったAちゃん。
やべ、さすがに怒らせちゃった？
反応面白くてつい……。
小学生男子が好きな子いじめたくなる心理と同じヤツ。
顔を覗き込んでみると、まだ膨れた顔のまま「予定空いてる日教えてください」と言うAちゃん。
「お礼しますから」
それだけ言うと、「じゃあいってらっしゃい！」と勢いよく階段を登って行ってしまった。
「はーーー……」
なんだよそれ、めっちゃニヤける。
そんなのすぐ連絡するよ。
今日でいい？明日？
いや、楽しみは取っておくべきかと考えながら車へと向かう。
長かった雨は止んで、今日は嘘みたいに晴れてる。
次の予定があるって、こんなにワクワクするんだと改めて思った。
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〇〇(プロフ) - いつもお話読ませて頂いてありがとうございます。ドキドキハラハラしますね。楽しみです。 (4月23日 11時) (
レス) @page41 id: 17708f6b5e (このIDを非表示/違反報告)
Yajirushi.(プロフ) - 〇〇さん» 読んでいただきありがとうございます（ ; ; ）更新速度が遅く、申し訳ありません。楽しんでいただけますと幸いです！ (4月6日 23時) (レス) @page33 id: 475853de31 (このIDを非表示/違反報告)
〇〇(プロフ) - とてもおもしろいです。続きが気になります！ (4月5日 20時) (レス) id: 17708f6b5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Yajirushi. | 作成日時：2024年3月3日 0時
