現実 ページ4
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「ただいま」と言いかけて、違う違うと思い直す。
母国語に完全に引き戻される感じがしたが、ふと玄関に乱雑に散らばった服やカバンを見て、自然とため息が出てしまった。
部屋に入ると、ソファーで横になるブロンド髪が目に入った。
『おかえり、ユウキ。遅かったわね』
『来るなら連絡してくれって言っただろ。服も片付けて』
キッチンに買ってきた食材を並べ、冷蔵庫にしまうものとそうでないものを仕分ける。
不意に背後から強い香水の匂いと、アルコールの匂いが鼻を掠めた。
ジャラジャラとブレスレットがついた細い腕が、俺の腰に巻きつく。
少しだけ、息を止めた。
『冷たいのね。前はそんなんじゃなかった』
夕食の準備をしようと手を洗いかけたが、さっき食べたジェラートと、コロコロと笑う女性の顔が頭をよぎる。
行き場を失った手で、細い腕をほどいた。
『また昼から酒飲んでるの？やめなって言ったよね。仕事は？』
『やだ、パパみたいなこと言わないでよ』
つまらないのね、と口にする女は俺とほぼ身長が変わらない。きゅっとしまった腰、ピッタリとしたジーンズ。
どことなく香る匂いは、知らない男物の香り。
『帰って。俺今からまた外出るから』
『どこ行くの？一緒にディナーでも行かない？新しいお店を見つけたの、今流行りの『行かない』
『頼むから、帰ってくれ。もう俺たちとっくに終わってるだろ』
不機嫌そうにこちらを睨んだ女は、確かに半年前まで好きだった人だ。
『知らないから。パパに話すわよ』
最悪な捨て台詞を残して出ていく女。
パタン、とドアの閉まる音と、残った香水の匂いにため息をつき、ソファーに倒れ込んだ。
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〇〇(プロフ) - いつもお話読ませて頂いてありがとうございます。ドキドキハラハラしますね。楽しみです。 (4月23日 11時) (
レス) @page41 id: 17708f6b5e (このIDを非表示/違反報告)
Yajirushi.(プロフ) - 〇〇さん» 読んでいただきありがとうございます（ ; ; ）更新速度が遅く、申し訳ありません。楽しんでいただけますと幸いです！ (4月6日 23時) (レス) @page33 id: 475853de31 (このIDを非表示/違反報告)
〇〇(プロフ) - とてもおもしろいです。続きが気になります！ (4月5日 20時) (レス) id: 17708f6b5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Yajirushi. | 作成日時：2024年3月3日 0時
