涙 ページ25
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それから時間は過ぎたけど、俺とAちゃんの関係性に特段変化はない。
Aちゃんから「ありがとう」という言葉は貰ったものの、特別な名前の付くような関係性にはなってない。
ま、出会ってからそんな時間経ってる訳じゃないし。
返事を急くつもりもなかったから、いい。
もっと俺のことを知って欲しいという気持ちが一番かな。
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その日は大雨の日だった。
最近雨が続いていて、もう1週間くらいは晴天を見てない気がしてた。
季節外れの長雨はテレビでもたくさん取り上げられていて、いろんな生活に影響が出ないかを危惧する内容ばかりだった。
普段からどうでもいいことをLINEする仲のAちゃん、普段は遅くても数時間で返信が来るけど。
その日は1日経っても来なかった。
既読には、なってるけど。
別に返事が欲しい内容なんかじゃなくて、ただ新しく試した歯磨き粉が微妙だった、っていう本当にどうでもいいことだから、あれだけど。
いつもはスタンプなり何なり送ってくれるから変な感じ。
練習後にLINEをチェックしてみるけど、やっぱり返信なし。
あれ、俺なんかやばいことした？
確かに今まで以上に距離を詰めてみたり(物理的に)、ご飯に誘ったり誘われたり、したけど。
なんかまずいことでもあったかな…いや特にそんな感じなかったし……。
色々考えを巡らせながら車を走らせ、帰路に着く。
駐車場に車を停めて、パーカーのフードを被って足早にアパートの入り口へと向かった。
……その時、ふとAちゃんの部屋の窓に、人の影が見えた。
「あ、Aちゃん」
それは紛れもなくAちゃんで、ぼーっと遠くを見ているようだった。
顔を見れただけでとんでもなく顔が緩んでる自分に、一つ咳払いをして、下から手を振ってみる。
でも本人は気付く様子がない感じで、ずっと外を見ていた。
「……え、泣いてる？」
一瞬、頬に涙が見えたような気がした。
いや、気のせいじゃない。俺動体視力いい方だし。
頬を拭うような身振りをした後、部屋の中へと消えていったAちゃん。
ザワザワとした感覚がお腹の中から込み上げてくるみたいで。
その瞬間俺は自分の家の鍵をポッケに突っ込んで、Aちゃんの家のチャイムを鳴らしていた。
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〇〇(プロフ) - いつもお話読ませて頂いてありがとうございます。ドキドキハラハラしますね。楽しみです。 (4月23日 11時) (
レス) @page41 id: 17708f6b5e (このIDを非表示/違反報告)
Yajirushi.(プロフ) - 〇〇さん» 読んでいただきありがとうございます（ ; ; ）更新速度が遅く、申し訳ありません。楽しんでいただけますと幸いです！ (4月6日 23時) (レス) @page33 id: 475853de31 (このIDを非表示/違反報告)
〇〇(プロフ) - とてもおもしろいです。続きが気になります！ (4月5日 20時) (レス) id: 17708f6b5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Yajirushi. | 作成日時：2024年3月3日 0時
