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気になってる、とは ページ24

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______Aちゃんのこと、気になっちゃってるし。




口をついて出た言葉。



それはずっと言えなくて、もどかしくて、柄にもなくモヤモヤしてしまったりした原因。




でも、今なら言えた。聞いて欲しかった。





スキャンダルが不安だ、という彼女は「根も葉もない噂が流されること」を心配していたんだろう。




でもそれは、俺と彼女の関係に、"友達"という言葉しか当てはまらないということで。





それがどこか、無性に悲しくて、むなしくて。






その遠く離れた距離を、縮めたくなってしまった。







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頭に大きなクエスチョンマークが浮かびそうなくらい、不思議そうな顔をしているAちゃんが面白くて、また吹き出してしまう。




「…気になる、とは?」





「そのまんまの意味」






「アレですよね、私が1人で海外旅行するような人間だから、その、研究対象的な?」





「ちがうねぇ」





「あ、アレか。ほら私ってちっこくてまんまるだから、ボールに似てて…的な?」





「ちっこくてまんまるなの?ウケるねそれ」





さっきより10個くらいクエスチョンマークが増えてる気がするから、答えをあげようか?








ブツブツと考えているAちゃんの横髪が、口に入りそうになっているから。




それをそっと離して耳にかけると、耳に指が触れた瞬間、ピクッと肩を振るわせた。







「研究対象とかじゃなく、気になんの。異性として。



かわいいな、とか、綺麗だな、とか思うの」








わかった?


俺、だいぶ恥ずかしいんだからね。



今すぐにでも走ってこの場から立ち去りたいのよ。




でもカッコつけて、余裕あるフリしてるんだからさ。




鈍感なお姉さん、ちゃんと理解できてる?







しばらくの沈黙の後、ボンっと音が出そうなくらい顔を真っ赤にしたAちゃん。









「わかった?」


「わ、ワカリマシタ……」








俺より顔を真っ赤にして目を泳がせまくっているから。




Aちゃんの気持ちも聞きたいところだけど、今日はこの辺にしといてあげよう。










「顔真っ赤だけど、お姉さん」


「うるさい。そういう石川さんも耳真っ赤」


「うるさい」






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〇〇(プロフ) - いつもお話読ませて頂いてありがとうございます。ドキドキハラハラしますね。楽しみです。 (4月23日 11時) (レス) @page41 id: 17708f6b5e (このIDを非表示/違反報告)
Yajirushi.(プロフ) - 〇〇さん» 読んでいただきありがとうございます( ; ; )更新速度が遅く、申し訳ありません。楽しんでいただけますと幸いです! (4月6日 23時) (レス) @page33 id: 475853de31 (このIDを非表示/違反報告)
〇〇(プロフ) - とてもおもしろいです。続きが気になります! (4月5日 20時) (レス) id: 17708f6b5e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Yajirushi. | 作成日時:2024年3月3日 0時

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