審神者、始めました ３ ページ21
・・・初出陣と、初椴刀を終えた審神者と加州。現在本丸には、秋田藤四郎、今剣、前田藤四郎、乱藤四郎、愛染国俊、薬研藤四郎、にっかり青江、鯰尾藤四郎、燭台切光忠を迎え入れた。そして、本日最後の椴刀をしようと思い、資材を運び込む。
「どれぐらいにするの、主」
「そうだねー・・・。３５０ぐらい入れてみようか」
資材が枯渇してしまう未来がもうすでに見えている。加州はまぁ、いいかと思いながらも資材を運び込む姿と、椴刀が始まる瞬間を見守る。妖精が玉鋼を炉に入れれば、残り時間の板に数字が刻まれる。
「０１：３０：００」
1時間30分。もうそろそろ自分も帰らないと親に叱られる時間帯だし、早く迎えて今日は帰ろう。そう思って手伝い札を炉に当てた時、妖精の動きが加速していき、椴刀はあっという間に終わる。
そして、妖精からは黒い刀が手渡された。・・・見たことある刀だ。いつ見たっけ？と首をかしげながら思い出そうとすると、すぐに思い出すことができた。
『この5振りの中から好きな刀剣をお選びください』
加州を選ぶ直前に、そう言われて差し出された刀の中に、これも入っていた。まさかこんな早く来るとはと思いながらも顕現を始めた。
目の前に立っていたのは、白い布で顔を隠した青年。だが、ちらちらと緑色の瞳と金髪がこちらを覗いている。・・・俗にいうイケメンだった。
「山姥切国広だ・・・なんだその目は、写しだというのが気になると？」
じっと見ていたのが気に食わなかったのか、彼はそう言った。自分は急いで視線をそらして「写しとかよくわからないから思っていない」とだけ、否定の言葉を彼に掛ける。・・・そして、恐る恐るまた視線を合わせると、静かに手を差し伸べた。
「・・・これからよろしく、山姥切さん」
「・・・」
引きつってはいるが、今出来る最大限の笑顔を浮かべながらも彼に優しく、優しく言った。だが、帰ってきたのは「はい」という答えではなく。パチン、と乾いた破裂音だった。
「え」
・・・叩き落とされた自分の手と彼の顔を交互に見る。彼は、ひどく殺気を込めた目でこちらを見ていた。そして、一言。
「・・・どうせあんたも、俺を比較するんだろう？」
こんな彼が、のちに副総隊長となり自分の近侍をするということを知るのはまた半年後の話。
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うそつきました。ごめんなさい。みっちゃんの後にまんばでした(入手順の話)
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作者名：六芒星玲音 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/b0e1f9605015/
作成日時：2016年4月27日 15時
