【刀剣乱舞】とある審神者の本丸３冊目【プレイ日記？】 (ページ19)

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審神者、始めました　１ページ19

・・・去年の夏ごろだった。学校の帰りに政府に連行されたんだっけ。「ちゃんと帰りは保証します～」と言われたりなんなり。隅から見れば立派な誘拐だったがなぜか誰も助けてくれない始末。世の中というのは残酷なものだ。

「この5振りの中から、好きな刀剣を選んでください」

　そう言われて、5振りの刀を差しだされた。どれも同じではないのだろうかと首をかしげながらも、一本の刀に向かって手を伸ばした。その先は、鞘が赤い刀。自分は赤が好きだった。だから自然とこの刀を選んだ。

「それでは、顕現をお願いします」
「・・・え？」

　政府の人に言われた言葉にキョトンとしてしまう自分はきっと間違ってはいないはずだ。いきなり顕現をしろなんて言われても、無理な相談だ。むしろ権限の意味を問いかけたいぐらい。というか問いかけた。

「心の中で「お願いします」と呼びかければいいだけです」
「は、はぁ・・・」

　引きつった笑みを浮かべながらも「お願いします」と控えめに心の中で呼びかけると、それにこたえるように刀が光を放ち始める。眩しい。目が眩み、目を閉じれば刀を握っていた感触がなくなる。

「あれ・・・」

　目を開けて自分の手を見る。・・・刀の姿はどこにもない。どこに行ったんだろうと思えば、そこでやっと、自分の目の前に誰かが立っていることに気づいたのだ。黒い髪を括り、整った顔立ちをしている男の人。自分より明らかに背が高かった。

「あー、河の下の子です。加州清光。扱いにくいけど、性能はいい感じってね」

　そう告げる彼の手には、自分が握っていたはずの刀があった。いつの間に取られていたんだろうと思えば、政府の人が隅でぱちぱちと拍手をした。

「初めての顕現、おめでとうございます。こちらが、あなたが初めて顕現なされた刀剣男士様でございます」
「・・・え？」

　政府の人と「加州清光」と名乗った彼の顔を交互に見る。これが、刀剣男士。加州清光の顔を見上げれば、彼はニッと笑みを浮かべながら言った。

「主、よろしく」
「・・・え。・・・えええええええええ！？」

　初めて言われた『主』という呼称。それに驚きが隠しきれなくて叫んだ。自分が、人の上に立つ身分を得られることは、本当に遠い未来、いや、永遠に来ない未来だと思っていたから。