小夜の復讐と、審神者の復讐の温度差がおかしい。 ページ16
・・・1か月前。短刀の小夜左文字は、審神者が帰ってきてやっと椴刀された。それはそれは、もう。なぜ短刀なのにもかかわらず、こんなに遅れてしまったのだろう。小夜はふとそう思う。だが、自分が顕現されたあの日の審神者の印象が、忘れられない。
「僕は、小夜左文字・・・。あなたは、誰かに復讐を望むのか・・・？」
小夜が顕現された最初の一言が、その問いかけであった。その言葉に審神者は容赦なく首を縦に振った。それに驚く、近侍のまんばと小夜。次のどんな言葉が放たれるのだろうと内心ドキドキしながら待っていた。
・・・だが、彼女が言い放ったのはすごく、つまらないことであった。
「俺のポケモンのデータを消した兄貴に復讐がしたい」
「・・・え？」
それはそれは真剣な顔で言う審神者に、思わず小夜は拍子ぬけた声を出して唖然とした様子になる。違う、そういうことじゃない。自分が言う復讐はそうじゃない。
なぜかはわからない。だが、小夜はそれはそれはくだらないことだと直感的に思ったのだ。まんばは正直なところ予想通りだったといわんばかりに大きな溜息を吐いた。それに、不思議そうな表情を浮かべる審神者と、いまだに唖然としている小夜。
・・・これは、自分が知ってる『復讐』じゃない。小夜はそう思った。その時に彼の脳に刻んだ審神者の印象が「変わってる」だった。その印象は、左文字兄弟が揃った今も消されてはいない。
「小夜ー！！」
「・・・何？」
廊下を走って小夜のもとに盛大に滑り込んできた審神者をゴミを見るような目で見た後要件を訪ねると、スチャッと姿勢をただした後に
「今度錬度上げ行こう！！大阪！！」
「・・・依頼札足りないの？」
「ええ！！そうですよ！！7枚しかない！デイリー回せない！！お願いしますッ！」
「・・・はぁ、わかったよ」
きれいな退け座を決めた後に、小夜はしぶしぶといった様子でそれを引き受ける。それを聞いた後、審神者はすぐに頭をあげて「ありがとう！」と元気よく笑った。
・・・この審神者、平和すぎる。
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兄貴にポケモンのデータを消されたのは事実です(真顔)
総隊長と副総隊長の手合わせ→←審神者は本丸でご飯を食べたことがない。
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作者名：六芒星玲音 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/b0e1f9605015/
作成日時：2016年4月27日 15時
