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episode88 ページ39

あれから2人は場所を移動した。もちろん人通りの少ないバルコニーへ。


「やっぱりここが1番落ち着く...」


昼間の心地のいい風にあたりながら凪が言う。
一方で私は何も言えずに黙っていると


「今回は何もしないよ」そう凪がバツが悪そうに言った。


『うっううん、そうゆうことじゃなくて』

「とりあえず座ったら?」


そう凪が隣を叩く。この前と全く同じ優しい手つきで。
そしてAは凪の隣に腰を落とした。


座ったはいいものの2人の間には沈黙が流れた、その空間を切るように凪が言う。



「...もう分かったんでしょ?Aの気持ち」

『えっ、』



自分からはっきりと言葉が出せないことが情けないなと感じる。でもそれ以上に...凪を傷つけてしまうことが怖い。




「教えてAの気持ち、俺しっかり聞くから」


『っ、ありがとう。...凪は、まっすぐ私に気持ちを伝えてくれたから言わなきゃって思ってた』


「うん」




『私、凛のことが好き』




そこまで聞くと凪はまっすぐ見つめていた視線をずらして大きな深呼吸をした後、またこちらを見つめて言った。



「うん、知ってたよ。始めから」


『え...?』


「Aにキスした時も、凛の名前出したら顔真っ赤にするから...凛じゃなくて俺を見ろよって意味だしね」


『えぇ、凪...?』


「だから俺、気がついてたよAの気持ち」



自分でも気がついていなかった恋心を始めから見透かされてたと思うと恥ずかしくなった。



『凪...、ごめんね』

「謝らないでよ」

『うん』



こんな時でも凪は優しくて涙が出そうになる。本当は傷ついてるのに、それを私に感じ取らせないようにしてる。


無理してるのだって幼馴染だから本当はバレバレなんだけどね。


それでも今は凪のその優しさに甘えることしか私にはできない。凛が好きだからこそ凪に期待なんかさせたらダメだ。


____今だけは凪の優しさに甘えるずるい私を許してね



すると凪は私の肩に頭を埋めて言った



「はぁー、そんなずるいところも大好きだなぁ」



私の考えも幼馴染の凪誠士郎にはバレバレだったようで、驚いて凪の方へ顔を戻す。


そこには優しさを被らない素のままの凪の顔があった。




『っ...、凪は...誠士郎はそっちの方がいいよ』

「うん」



そう言うと彼は背中に腕を回して、言った。



「...今だけ許して」

『うん』



私はこの日、糸師凛のことを好きな私ではなくて

凪誠士郎の幼馴染として彼の涙を受け止めた。

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小雪(プロフ) - 翔奈さん» コメントありがとうございます!更新が遅れてしまって申し訳ないです...。あと少しよろしくお願いします( ̄^ ̄)ゞ (2023年2月17日 7時) (レス) id: 3c7869de8a (このIDを非表示/違反報告)
翔奈(プロフ) - 更新とっても嬉しいです( ; ; ) (2023年2月16日 22時) (レス) @page47 id: 43e26a5008 (このIDを非表示/違反報告)
小雪(プロフ) - itori0828さん» コメントありがとうございます!絶対とは言えませんが前向きにじっくりと検討してみます...!この作品も最後までよろしくお願いします!! (2023年1月17日 12時) (レス) id: 3c7869de8a (このIDを非表示/違反報告)
小雪(プロフ) - Manakaさん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえて本当に嬉しいです。これからも楽しんでいただける作品作りを心がけます...! (2023年1月17日 12時) (レス) id: 3c7869de8a (このIDを非表示/違反報告)
小雪(プロフ) - ここなさん» コメントありがとうございます!じっくり検討してから答えを出したいと思います...!これからの更新もお楽しみに (2023年1月17日 12時) (レス) id: 3c7869de8a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小雪 | 作成日時:2022年12月3日 19時

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