【HQ!!】オカン組とシェアハウスしてみた

オカンその3 ページ4

｢茂庭さん、お菓子買ってください｣

｢ダメダメ｡今月はちょっとピンチだから、いらない物は抑えてね｣

｢お菓子は必需品デスゥ｣


『はいはいダメ』と言ってさっさとお菓子コーナーを過ぎていく

さらばお菓子達よ
また今度買ってやるからな、茂庭さんが

背後のお菓子が｢待って……！｣と言ってるように脳内変換しながら、五色と話してたことを思い出す



好きな人かぁ……

あんな熱血五色にも出来たんだ、私だって好きな人くらいできるはず

ふと、菅原さんの太陽のような笑顔が頭の中に浮かんだ


菅原さんは爽やかで優しくて、皆から好かれてるいい人だよな
しかもイケメンだよなぁぁぁ!!!


『起こしても起きない｡そんな悪い子には、｢激辛麻婆豆腐｣だぞー？』


あぁ、スパルタだ
ダメだ、イケメンでも時には残酷な現実が待ち受けてる

トボトボと茂庭さんについて行くと、精肉コーナーを見ていた茂庭さんが『あれ？』と声を漏らした


｢なんですか茂庭さん｣

｢いや、前見てみなよ｣


スッと茂庭さんの背中から首を出すと、茂庭さん以外のオカン組と


自分のオカンがいた


途端に体中の毛穴という毛穴から嫌な汗が出る

異常事態だ
一刻も早くここから逃げ出さねば

見つかったらアカン


思うよりも早く体が動いた

音を立てないように慎重に来た道を戻る


｢はい確保ー｣

｢あぁぁ、夜久君ﾝﾝﾝｯ｣


洋服の襟を捕まれ、ズルズルと元の場所に連れ戻される

くそ、無念だ

そのまま買い物は続行され、私のオカンは岩泉さんと楽しそうに話してる

オカンは何しに来たんだｧｧｧｧ!!

オカン勢揃いの集団の一番後ろを歩く


｢ドンマイ｣

｢赤葦さん、私が一体何をしたと言うんだ｣

｢あーまぁ、うん｣

｢えぇ……｣


ポンポンと頭を撫でられただけでは何も分からんぜよ

もう勘弁してくれよホントまじで

オカンその4→←オカンその2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す