【HQ!!】オカン組とシェアハウスしてみた

オカンその2 ページ3

｢はあぁぁ……｣

｢いつになくデカイため息だな｣


私が受けるはずの講義は30分後なのに、なぜ私はここにいるのか……
それは茂庭さんが急かしたからだ

茂庭さんなんか、今から1時間後なのに『早く行った方が楽でしょ？』とか言ってこの時間に来たんだよ


いやもう、茂庭さんもスパルタだ……
しかも、多分アレは無意識のパターン｡非常に面倒くさい


｢水飲む？｣

｢いや、いい｣


隣にいるのは、同じ理科学部に所属する五色工
高校の時に、たまたま仲良くなった


外のベンチで並んで座る
デカブツが隣に居るっていうのは、どうにも落ち着かない

はぁ……とさっきよりも大きなため息をつく

すると、五色が思い出したように『あ！』と声を漏らし、ニマニマしながら私を見た


｢Aはさ、好きな人とかいる？｣

｢好きな人ねぇ……いないかなぁ｣

｢じゃあそんなAに報告｣

｢何だよ｣


五色は普段は見せないようなにやけ顔を顔一面に広げ、それに加えて顔を赤らめて、気持ち悪いくらいの女々しい声で言った


｢俺ね、彼女できた!｣

｢そっかぁ…………ってはぁ!?｣

｢俺の勝ち!｣


『えへッ』とにやけ顔を満面の笑みに変える

クソッ先を越されたか……


だいぶ前だが、五色とどちらが先に恋人ができるか競おうという話が持ち上がった

もちろん、『私が勝つからな』と大口を叩いたものの、好きな人どころか気になる人なんて出来なくて結局、その話を放置してしまった


そして五色は、笑顔を私に見せつけるように顔を近づけ


｢Aも頑張ったら？｣


と言った


｢近い!こんなとこ彼女に見られたらアカンでしょ!!｣

｢大丈夫、俺とお前の関係は知ってるから｣

｢そーゆー問題じゃねぇ!｣


グイッと五色の顔から離れ、私の好きな人について、講義が始まるまで考えていた

もちろん、五色からノロケ話を聞かされていたけど全部聞き流しておいた


｢聞いてくれよ！｣

｢やだね｣

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