93錠 ページ4
side:轟焦凍
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｢…お父さん？｣
｢はい…｣
小さく返事をした薬師神は 父親と呼ぶ男の白衣をぐい、と引っ張って俺との距離を作った
いつもの繊細な動作とは違う乱暴さに遠慮の無さが伺える
パッと見の容姿はあまり似ていないが、よく見れば確かに眼鏡越しの優しげな瞳は親子をはっきりと表していた
その目つきは今、鋭いものではあるが
｢彼氏じゃないですから、そんな目しないで下さい｣
｢そうなの！？悪かったね…｣
頬を赤くして 冷たい声を出す薬師神の言葉を聞くと、申し訳なさそうに眉を下げた
余計、隣にいる彼女に似ている気がした
いえ、と返事が控えめになってしまうのはそのせいか
｢こちらこそ、てっきりトラブルかと｣
｢……先に帰ってます。話はまた今度にしましょう｣
彼女は父親にまで敬語を使うらしい
トラブルだと称したが、実際喧嘩でもしていたのだろうか
手首を掴まれて、店の扉が ちりんと鳴った
まるで洋菓子店のような可愛らしいアンティーク調のこの建物
中に入ってから分かったのだが どうやら薬屋のようだ
彼女の個性からそれが家業であることは容易に納得のいくことだった
そこからしばらく薬師神は振り向かずに足を進めている
こんなにも彼女が感情のままに動くことがあるなんて、正直意外だと思った
｢薬師神｣
｢…ごめんなさい、轟くん｣
そう呟くと、徐々にその足取りが重くなるようだった
ちょうど行き着いた 日の沈んだ公園には誰もいない
離れた手のひらに風が通った
彼女はまだ振り向かずに背を見せたまま
何があったのか、自分が今聞くべきではないと察することが出来るほどに壊れてしまいそうだった
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しおり(プロフ) - 凄く面白かったです！ (2020年5月9日 10時) (
レス) id: 88ef928d1d (このIDを非表示/違反報告)
霊夢(プロフ) - 爆豪勝己の方のパスワードおしえてください！！！(☆´_ _)ﾍﾟｺﾘ (2019年5月16日 21時) (レス) id: 28399f0f04 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - 続き楽しみです！ (2018年1月20日 19時) (レス) id: ea150721a5 (このIDを非表示/違反報告)
しの(プロフ) - あやりずさん» ありがとうございます…！！(；；)亀更新ではありますが、完結まで楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2017年12月29日 11時) (レス) id: 98425ad901 (このIDを非表示/違反報告)
あやりず(プロフ) - 面白いです！！轟くん大好きなので…wこれからも更新頑張ってください〜！ (2017年12月28日 22時) (レス) id: 701a0aacb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しの | 作成日時：2017年10月13日 20時
