116錠 ページ27
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｢薬師神、サポートアイテムも作れるんだな｣
帰り道、ふとそんなことを言われた私は、暫し彼を見つめて、ローファーを取る手を止めた。
｢さ、サポート科でしたからね…？｣
どうして急に？と笑みを作る。
私の驚いたような挙動に
轟くんはちらりと視線を向けて、薄く笑った。
｢相澤先生が、教卓の上に置いてたから｣
｢あ、あぁ…そういえば｣
思い返せば、猫耳が生えた球体が教卓の隅でころんと転がっていた。
それを全く気にすることなくホームルームを続ける先生と猫(装置)は、つい思い出し笑いしてしまいそうな程にアンバランスだった。
笑みが浮かびそうになる口元を押さえ、前を向くと 轟くんは予想外の質問を投げかけてきた。
｢…なんで、あの色にしたんだ？｣
ギクッと肩を揺らす。
そう、先生が一瞬猫か猫じゃないか疑ったのは恐らくその色のせいなのだ。
猫らしくない、青と緑の中間色。
私もどうしてこんな色を選んだのか、と完成間近の装置をじっと見て考え込んでいた。
そうして答えに辿り着いたのは、轟くんと直接目を合わせた時。
彼の右目の色とよく似ていたのだ。
無意識にそれを選んでいたことを 恥ずかしく思ってしまう。
そして不思議そうな顔をしている本人の前でその理由を言えるはずもなく。
「……なんとなく、です」
ふい、と顔を逸らして誤魔化す。
轟くんはさほど興味もなさそうに「そうか」とだけ返事をした。
嘘をついた罪悪感からか、ただ暑いからなのか、背中に汗が伝う感覚がする。
早いもので、もう夏がやって来たのだ。
暗闇が春よりもずっと遅れて訪れる。まだ空は明るい。
蝉の声が遠くから微かに耳に届く。1年が回ったことを告げる夏の風物詩は、やけに懐かしく思えた。
夏を感じるには、これだけでも十分だ。
だから、彼の隣にいるとやけに顔に熱が集まる気がするのはきっと夏のせい、なのだろう。
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※ここから先、林間合宿のお話の予定です。
アニメ派の方はネタバレにご注意ください…！
終わり
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しおり(プロフ) - 凄く面白かったです！ (2020年5月9日 10時) (
レス) id: 88ef928d1d (このIDを非表示/違反報告)
霊夢(プロフ) - 爆豪勝己の方のパスワードおしえてください！！！(☆´_ _)ﾍﾟｺﾘ (2019年5月16日 21時) (レス) id: 28399f0f04 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - 続き楽しみです！ (2018年1月20日 19時) (レス) id: ea150721a5 (このIDを非表示/違反報告)
しの(プロフ) - あやりずさん» ありがとうございます…！！(；；)亀更新ではありますが、完結まで楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2017年12月29日 11時) (レス) id: 98425ad901 (このIDを非表示/違反報告)
あやりず(プロフ) - 面白いです！！轟くん大好きなので…wこれからも更新頑張ってください〜！ (2017年12月28日 22時) (レス) id: 701a0aacb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しの | 作成日時：2017年10月13日 20時
