92錠 ページ3
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｢全部 私に任せるって言ったじゃないですか！｣
慣れない大声と睨みを効かせても 相手は全く怯んだりはしない
分かってはいるけれど、私は苛立っていた
感情が昂ったせいで 滲みそうな涙を歯を食いしばって抑えた
そんな心情は、彼もまた同じだと思う
言い分を理解することは出来るけど、譲ることは出来ない
そんな言い争いはかれこれ一時間近く続いていた
｢心配してるんだよ。分かるだろ？｣
｢ええ、十分に。でも私にだってやりたいことが…｣
ちりん、と店の扉のベルが揺れた
まずい お客さんか、と思ったが 音を鳴らした影は一直線に私の腕を掴んだ
｢大丈夫か、薬師神｣
…息が、 一瞬 止まった
疑いかけた瞳を数回閉じて開いても やはり彼が私に触れていることは現実だった
数秒の沈黙を、細い声で壊すように喉を震わせる
｢轟くん…？｣
見間違えるはずなんて、ない
視界に映る彼は 確実に轟焦凍だった
｢お前の姿が見えたから…つい｣
｢あ、え、そうですか…｣
我に返ってやっと気づいたが
ちょっと気まずい空気がじわじわと店の中に漂うみたい
そっと視線を前に向けると、やはり眼鏡の奥で訝しげに瞳を細めていた
…ああ、なんだか面倒なことになりそう
｢だ、誰だその子！！まさか彼氏とかじゃないだろうな！？｣
｢…は？｣
詰め寄られた轟くんは 呆気に取られたように眉を動かした
恥ずかしすぎて顔から火が出そう、なんて片手で表情を隠している場合じゃない
今日一番の怒りを込めて 目の前の白衣をぎり、と掴んで
｢もう、ホントにやめて お父さん…｣
怒りやら恥ずかしさやら、耐えられない
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しおり(プロフ) - 凄く面白かったです！ (2020年5月9日 10時) (
レス) id: 88ef928d1d (このIDを非表示/違反報告)
霊夢(プロフ) - 爆豪勝己の方のパスワードおしえてください！！！(☆´_ _)ﾍﾟｺﾘ (2019年5月16日 21時) (レス) id: 28399f0f04 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - 続き楽しみです！ (2018年1月20日 19時) (レス) id: ea150721a5 (このIDを非表示/違反報告)
しの(プロフ) - あやりずさん» ありがとうございます…！！(；；)亀更新ではありますが、完結まで楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2017年12月29日 11時) (レス) id: 98425ad901 (このIDを非表示/違反報告)
あやりず(プロフ) - 面白いです！！轟くん大好きなので…wこれからも更新頑張ってください〜！ (2017年12月28日 22時) (レス) id: 701a0aacb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しの | 作成日時：2017年10月13日 20時
