107錠 ページ18
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｢っ、え…？｣
相澤先生の冷静な声と内容のギャップに、私は耳を疑った
と、いうのも 今日は職場体験1日目
さっき解散したばかりで 皆自分の目的地に向かってばらばらとホームに向かっている
そして私は まさに今、体験先を告げられたばかり
もっと早くに言ってもらえる予定だったのに、どうして当日に報告されたのかはよく分からない
…いや、今となってはそんなことどうでもいい
｢エンデヴァーの事務所って、なんで…｣
先生の口から出てきた名前に、耳を疑うしかなかった
言わずと知れたNo.2ヒーロー
体育祭で一度見かけたのをはっきりと覚えている
どうして相澤先生は私をこの事務所に行かせることを決めたのだろうか
そもそもそんなにすごい人が私を指名する理由が分からないのだが、それは先生に尋ねたところで無駄だ
しかし、先生が口にした名前は
またもや私の思考を絡めさせるものだった
｢…轟がいるから、だな｣
｢……え？｣
｢薬師神、もう電車着くぞ｣
背後で、今話題に上がった轟くんの声
彼の口振りからして 同じ事務所に行くことを知っていたらしい
急かされるまま先生に挨拶をして、轟くんの背を追った
電車に乗り込んでからも、なんで？どうして？と頭の中では疑問符が飛び交う
そんな落ち着きのない私の思考を止めたのは、轟くんの声だった
｢…ひとつ、聞いてもいいか｣
移り変わる窓の外を眺めながら、轟くんは口を開いた
そんなに改まって、何を問うつもりだろう
何ですか、と返事をすれば 視線が交わった
｢薬師神は、その個性を持っていて苦労したか？｣
突拍子もない質問に、私は固まった
どうしてそんなことを聞くの、なんて
そんな疑問は口の中に消えていく
轟くんの表情があまりにも真剣だったから
私の勝手な解釈かもしれないけれど
無表情の裏に隠された感情は、悲しみに近いマイナスだと思ったのだ
｢…していないと言えば、嘘になりますが｣
そう返すと、轟くんは視線をまた外に向けて 目を細めた
｢ …そうか｣
同じだな、とぽつり 呟いた
私にはその意味がはっきりと分かるわけじゃない
どうして今、そんなことを確かめたの？
彼に特別な感情を抱いて、一緒に帰り道を歩いて、同じクラスになって
確実に初めよりは近づいたはずなのに、まだ
私は轟くんのことが分からない
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しおり(プロフ) - 凄く面白かったです！ (2020年5月9日 10時) (
レス) id: 88ef928d1d (このIDを非表示/違反報告)
霊夢(プロフ) - 爆豪勝己の方のパスワードおしえてください！！！(☆´_ _)ﾍﾟｺﾘ (2019年5月16日 21時) (レス) id: 28399f0f04 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - 続き楽しみです！ (2018年1月20日 19時) (レス) id: ea150721a5 (このIDを非表示/違反報告)
しの(プロフ) - あやりずさん» ありがとうございます…！！(；；)亀更新ではありますが、完結まで楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2017年12月29日 11時) (レス) id: 98425ad901 (このIDを非表示/違反報告)
あやりず(プロフ) - 面白いです！！轟くん大好きなので…wこれからも更新頑張ってください〜！ (2017年12月28日 22時) (レス) id: 701a0aacb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しの | 作成日時：2017年10月13日 20時
