104錠 ページ15
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｢…どうした、薬師神｣
｢っえ、いや…｣
あまりにも怪しい私の素振りに、相澤先生の訝しげな視線が突き刺さる
何でもないです、と無理やり笑顔を作ると
先生は呆れたように また書類を向いた
ずっと、彼女の言葉が気になって
どうにも意識を集中させることができずにいた
｢…で、さっきの話の通りでいいか？｣
…さっきの話って？
｢……えっと｣
｢聞いてなかったならそう言え｣
｢うっ…すみません…｣
浅くため息をつきながらも、もう一度説明を始めてくれる
なんだかんだ、優しい先生だと思う
｢近々職場体験…本物のヒーロー事務所で実際に学ぶ課外訓練みたいなものがある｣
手元にあった資料を渡され 目を通すと、事務所の名前が並んでいる
聞き覚えのあるものから 全く覚えのない所まで
ざっと20弱くらい
｢事務所からの指名があったやつはその中から、なかったやつは受け入れ可能の事務所から選択して体験に行ってもらう｣
それで、なんだが
と、相澤先生は少し困った様子を見せた
転入早々だから、私は留守番ということなのだろうか
…でも、じゃあこの事務所一覧はなんだろう
｢なぜかサポート科のお前にも指名が来ている｣
｢…え｣
｢本来ならその17件から選ぶところだが、サポート専門、転入して間もないことも踏まえて ヒーロー科の誰かと同じ事務所へ行くことになった｣
｢え、ちょ、ちょっと…｣
｢幸い指名被りもある。体験先はまた明日、他の生徒の希望をまとめてからこっちで決めさせてもらう｣
つらつらと言葉を並べられて、瞬時に頭が追いつかなかった
事を簡単に整理すると 私は体験先を自分で選べない、でもヒーロー科の誰かと同じ場所になる
…色々と、疑問があるのだが
｢…どうして私に指名が？｣
｢なぜか、と言っただろ。俺にも分からん｣
力の無くなった手から プリントを引き抜かれる
結局はもう それは用無しみたいだ
｢あぁ、あと 体験先ではコスチューム着用だ｣
机の下から スーツケースに似たものを取り出して、渡される
重さを覚悟したが 案外軽かった
21 と数字が刻まれているのは、新しい出席番号だろうか
｢一応個性に合わせた機能を揃えているらしいが、なんせ取り急ぎ作ったからそこそこの出来になってるそうだ。まあ、適当に自分で直せ｣
話は以上だ、と 先生は教室へ向かうようで
リュックとコスチュームを手に 慌ててその背を追った
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しおり(プロフ) - 凄く面白かったです！ (2020年5月9日 10時) (
レス) id: 88ef928d1d (このIDを非表示/違反報告)
霊夢(プロフ) - 爆豪勝己の方のパスワードおしえてください！！！(☆´_ _)ﾍﾟｺﾘ (2019年5月16日 21時) (レス) id: 28399f0f04 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - 続き楽しみです！ (2018年1月20日 19時) (レス) id: ea150721a5 (このIDを非表示/違反報告)
しの(プロフ) - あやりずさん» ありがとうございます…！！(；；)亀更新ではありますが、完結まで楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2017年12月29日 11時) (レス) id: 98425ad901 (このIDを非表示/違反報告)
あやりず(プロフ) - 面白いです！！轟くん大好きなので…wこれからも更新頑張ってください〜！ (2017年12月28日 22時) (レス) id: 701a0aacb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しの | 作成日時：2017年10月13日 20時
