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ｃｈａｐｔｅｒ ９ ページ10
「最後に観覧車乗らへんか〜？」
慎二くんが言う。
ここはやはり、カップルで乗るのかな？
気が、重いなぁ…。
「Aちゃん、行こう」修司くんに手を引かれて、ゴンドラに乗り込んだ。
観覧車から見る夜景って、すごくキレイ。
私はまた機嫌がなおった。
うん、単純ですから。
「……窓が開かない。」
……ん？今度はなに？
「窓が開かないってことはもしかして、酸素が足りなくなって酸欠で死ぬかもしれない！！」
んなワケねー。
「毒ガスが流れてきて殺される可能性も！怖いよ！」アンタの方が怖いわ。
「おろせぇぇぇぇ！！」
修司くんが暴れてゴンドラが揺れる。
コイツと一緒にいたら死んでしまうのではないか？
私は、そう思う。
修司くんは、天井に空気のようなモノを見つけて、やっと落ち着いたようだ。
「いい眺めだね。気持ちが安らぐよ。」
ゴンドラがてっぺんに着いた頃、修司くんが真剣な顔でこちらを見ている。
普通にしてれば本当に、
カッコいいのになぁ……。私は修司くんを見ながら、心の中でつぶやいていた。
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作者名：Smile | 作成日時：2017年8月26日 12時
