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『…テヒョン、はなして、』
「嫌だ、もう離さない。
ずっとずっと苦しかった。傷ついた。
でもね、どんなに傷ついてもAのこと嫌いになれなかった。ずっと大好きなままなんだ。』
耳元で聞こえる、
大好きな人の聞きたかった言葉。
『で、でも、嫌だって』
「うん、嫌だ。
Aのこと大好きだから。
友達なんかじゃ、嫌だ。
Aの恋人になりたい。」
心臓がトクリと跳ねた、音が聞こえた。
体が熱くて、何故だか涙が溢れてきて。
だめ?腕の中にいる私を覗き込むテヒョン。
『……私、なんかで、いいの?』
「いひ、Aじゃないとだめなの。」
そう言ってあの時みたいに瞼にキスを落とす。
触れられたところが熱くて、でもそんなの気にならないくらいに幸せで。
『…私、幸せだ、幸せすぎる。』
「じゃあ俺はAの何百倍も幸せかも。」
何度も何度も。
瞼、おでこ、頰、鼻の頭、耳。
ちゅっ、ちゅっ、と唇を落としていく。
なんだかくすぐったい。
でも肝心のところにはしてくれなくて。
『…ねえ、』
「なあに?」
『…やっぱなんでもない。』
恥ずかしすぎて、彼の胸に顔を埋める。
そんな赤くなった私を見て、テヒョンはクスクス笑う。
「Aちゃーん、こっち見て」
『…なによ、!』
視界いっぱいに広がるテヒョンの綺麗な顔。
より一層強くなる彼の匂い。
ちゅっ、と音を立てて吸いつく柔らかい唇。
全てにくらっとしてしまう。
しばらくして離れたテヒョンは、
眩しすぎる四角い笑顔で私を照らす。
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k-pop大好き - とても、切ないお話でした。。推しがテテなので、過去に失った大切な人がテテと知ってモヤモヤしました。。最後、テテが主人公を呼んだ時に涙が止まりませんでした。。 (2021年1月4日 13時) (レス) id: 148acec4a4 (このIDを非表示/違反報告)
kore(プロフ) - あきさん» あき様、コメントありがとうございます。面白いと言っていただけて嬉しいです…!私も書きながらどんよりした気持ちになりましたね…。なのでハッピーケース!!ハッピーになってもらえたらなと思います!! (2020年10月9日 22時) (レス) id: 2761e1482c (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - 読み進めていくなかで覚える違和感、最後の一行ですっきりしました。が、気持ちは、、、泣。どうかハッピーケースが訪れますように!とても面白かったです!!他のお話の更新も楽しみにしてます。 (2020年9月7日 1時) (レス) id: 93ffcf3bfd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バム. | 作成日時:2020年9月6日 3時