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「ほら、これ飲んで？」
ホットチョコを差し出して、私の隣に腰かける。
前のときみたいに椅子じゃなくて部屋の隅っこに座り込む私達。
『ありがとう、テヒョン、さん。』
「もう！さっきまではテヒョンだったのに。
俺不謹慎かもだけどめちゃくちゃ嬉しかったんだよ？」
『…それは不謹慎ですね。』
「もうそれでもいいですぅー。」
尖らせた口にブラックコーヒーを近づける彼。
淡々とかっこよさげに飲むけど、
一瞬苦っ、て顔を歪ませる。
ふふ、コーヒー飲めないくせに。
『私、コーヒーの方飲みたいな。』
「…Aがそう言うんなら、交換してあげる。」
『ありがとう、テヒョン。』
ホットチョコを口付けながら目を丸くするテヒョン。
そんなに、驚かなくたっていいじゃん。
「…ねえ！もう一回、もう一回呼んで！」
『ふふ、そんなに嬉しい？』
「嬉しいに決まってる！
俺、そのためにめーっちゃお仕事頑張ったもん。」
『うん、確かに頑張ってた。』
「だよね、呼んで呼んで！」
『…テヒョンテヒョンテヒョンテヒョンテヒョン』
「なんか違う。」
2人でクスクス笑って、
テヒョンは甘いホットチョコを、
私は少し苦いコーヒーを。
『テヒョン、助けてくれてありがとう。
…かっこよかった、気がする。』
「ふふ、素直じゃないねぇー。
でもAの、俺たちを物じゃないって言ってくれたやつの方が何倍も何倍もかっこよかったよ？
なんかね、心が熱くなってポカポカした。」
『ふふ、なにそれ。』
「あー、あと、ぶっさいくな顔！！！！ってやつも
かっこよすぎだね。」
『ヤーー思い出させないで！！！
それかっこよくないやつじゃんか！
テヒョンだって！…
…テヒョンはさっき別人みたいに怖かった。』
思い出すだけでも背筋が凍りそう。
鳥肌製造機。
いまはこんなにも柔らかい、いや甘ったるいに近い笑顔だというのに。
「俺、あれでも我慢したんだよ？
もし俺が問題起こしたらAが、自分を責めちゃうでしょ？
悲しませたくないよ、Aは俺の大切な人だもん。」
すっと頬を撫でる彼の体温。
…ずるい。
そんなことさらっと言っちゃうんだから。
大切な人。
テヒョンが言ってくれたその言葉に、
胸の奥のもっと奥が熱くなる。
でも、それと同時に、
苦しくなって目の奥から涙が湧いてきそうだ。
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k-pop大好き - とても、切ないお話でした。。推しがテテなので、過去に失った大切な人がテテと知ってモヤモヤしました。。最後、テテが主人公を呼んだ時に涙が止まりませんでした。。 (2021年1月4日 13時) (
レス) id: 148acec4a4 (このIDを非表示/違反報告)
kore(プロフ) - あきさん» あき様、コメントありがとうございます。面白いと言っていただけて嬉しいです…！私も書きながらどんよりした気持ちになりましたね…。なのでハッピーケース！！ハッピーになってもらえたらなと思います！！ (2020年10月9日 22時) (レス) id: 2761e1482c (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - 読み進めていくなかで覚える違和感、最後の一行ですっきりしました。が、気持ちは、、、泣。どうかハッピーケースが訪れますように！とても面白かったです！！他のお話の更新も楽しみにしてます。 (2020年9月7日 1時) (レス) id: 93ffcf3bfd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：バム. | 作成日時：2020年9月6日 3時
