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「もう2度と私に話しかけてくるな、2度と、2度とだ」
「大嫌いなんだよ。その態度が。
無意識で人を苛つかせて、人を傷つけて、それなのに人の話は聞かない、
人が自分に尽くしてくれるのが当たり前だと思ってる、
その莫迦みたいな頭でよく生きてこられたな」
後から考えれば、私は絵心の声も選手たちからの目線も何もかも気づいていなかったんだと思う。
ぎゅう、とスマホを割れるほどに握りしめて吐き捨てる。
「もういいよ、言いたいことは全部言い切った。
お前への恨みも苛立ちも何もかも全部言った
だから2度と私に近づかないで
近づいたら殺すかもしれない。それは嘘じゃない。わかったな?
これは最後の警告だ
次私に連絡してきたり、
近づいてきたら本当に殺________
その拍子、スマホを奪われてしまった。
ぷつん、と通話が切られる前まで瑠花はなにか話していた。あまり聞こえてなかったが。
「A、落ち着きなさい
今の君は感情の整理ができていない」
スマホへ伸ばした腕は空を切って。
身長の差がありすぎる私と絵心。伸ばした腕を後ろから引っ張られて絵心へと倒れ込んだ。
目を彼の手で隠される。
「深呼吸、落ち着け」
「っ.....返して、絵心」
「ダメだ」
「どうして!!
私はっ......私は________!」
その瞬間、Aの目に映った絵心の顔はひどく辛そうだった。
どうして、彼がそんなに辛そうなのかと動揺してしまった。
一瞬の、ことだった、
「ぇ、ご....________?」
「大丈夫、大丈夫だから、........今はゆっくりしてなさい」
子供をあやすように頭をぽんぽんと撫でられる。
私は、絵心の表情が頭から離れず伸ばした手を下ろすのに少し時間が必要だった。
「アンリちゃん、Aを頼んだよ」
「はい」
帝襟さんが優しく微笑んで私の手を握ってくれた。
その手は微かに震えていて。私は、私自身がしたことに対してよく考えていなかったのかもしれない。
「A、ちゃん........大丈夫?」
「............________帝襟、さん」
ぎゅう、と力を込められて手を握られた。
私は顔を伏せるしかできなかった。
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たろ。(プロフ) - こっちも書いて♡(うちわ)あんまり興味なかったけどこの作品読んで絵心さんいいな…と思いました!千切くん推しだけど絵心さんと帝襟さんの優しさに溺れたい…好きになっちゃうじゃんこんなの! (5月3日 14時) (レス) @page19 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
雪女 - 更新楽しみにしてます🙂冴くんとかの見てみたいです (4月23日 13時) (レス) id: 6c1d2855e5 (このIDを非表示/違反報告)
そっち - 面白くて、一気読みしました!カウセリング蜂楽くんもお願いしたいです!主様のペースで、更新待ってます!応援してます! (6月19日 18時) (レス) id: 5bcd0bb3ca (このIDを非表示/違反報告)
イースと(プロフ) - この小説が大好きでやってきました。カウンセリングですが、 蟻生くんとか斬鉄くんとか見てみたいです!糸師凛くんは想像がつかないのですが、見てみたさもあります()もし、お書きできるようなら書いて頂けるのならすごく嬉しいです!これからも応援してます!! (2023年4月8日 0時) (レス) id: 8d010d40d8 (このIDを非表示/違反報告)
由花 - ひおりんのカウンセリング書いてくれるのはありがたいです✨やっぱり氷織・烏・乙夜は必要だと思います (2023年4月6日 10時) (レス) @page7 id: 4bd4611197 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:人間 x他1人 | 作成日時:2023年4月4日 10時