嘘つきお姫様2 (ページ32)

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七十九話ページ32

ゆっくり離れた

｢イノジン…？｣

すると…今度は抱きしめてきた

イノジン｢好きだ…好きだよ…桃華ちゃん
いつも…羨ましかった
ボルトやミツキやシカダイは
ずっと一緒にいるんだもん！
職業体験の時も…訓練の時も
いつも…あの3人の誰かがいた
僕だって、桃華と居たかったのに！
どうして…？どうしてなの？
僕は…こんなにも君が好きなのに！
苦しいよ…こんなの｣

泣いている…

こんなにも感情が表に出るなんて

そんなに私を好きでいてくれたんだ…

もうちょっと

イノジンのこと気にかけたらよかった…

酷いことしちゃった

｢イノジン…ごめんね
ごめんなさい…本当にごめんなさい
私…そんなつもりじゃあ｣

イノジン｢僕は…君に謝って欲しい訳じゃないよ
ただ、分かって欲しかった
僕の気持ちを…｣

｢私は…貴方の事は大好きよ
貴方はいつも私の味方をしてくれた
そして…助けてくれた
それが、とても嬉しかった
でもね…私は一人の人を愛することが
出来ないの
これはいけない事って分かってる
分かってるけど…無理なの！
誰のものにもなれない私なんかを…
イノジンは…好きでいてくれる？｣

…沈黙

やっぱり…ダメかな？

あぁ…ヤバい

涙が出てきた

すると…いきなり顔を上に向けられた！

｢イノ…！｣

またキスされた

それも…深いキス

んっ…苦しい

でも…気持ちいい

イノジンの胸元を押すと

やめてくれた

｢ハァ…ハァ…
イノジン…ハァ…なにするの？｣

イノジンは優しく涙を拭ってくれた

イノジン｢ごめん…
でも…構わないよ｣

｢えっ…どういう意味？｣

イノジンは真っ直ぐ私を見つめた

イノジン｢君が誰の物にもならなくていい
君が…僕を好きでいてくれるなら
僕は構わないよ！｣

｢イノジン…本当に？
本当にいいの…？｣

イノジン｢うん！構わない！
だって…僕は君…いや！
桃華の事が大好きだから｣

あぁ…

あなたにそこまで求められたら…

私は…もっと求めてしまう

それでも…貴方ならきっと

私を好きでいてくれるでしょう

イノジン

｢愛してる…｣