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省みる ページ34

あ〜〜〜やらかした!

どこからどう見ても派手にやらかした俺!


さっきのAの恐怖を張り付けた表情が頭にこびりついて離れない。

『あぁもう、なんでこうなるんだよ!』

「宇髄、うるさい」

『あ、悪い、煉獄』

あいつ、今日学校来てねぇし。

絶対避けられてる。
このまま職場変えたりしたらどうしよう。

ごめんって、悪気はねぇんだよ…


「そういう個人的な葛藤は心の中でやってほしい」

「全くだ」

『聞こえよがしに言うのやめて』

そして今の全部声に出てたんだな。

「…宇髄」

『冨岡、相変わらず地味なやつだな』

「気分が優れないのなら早いうちに帰ったらどうだ」

『いいのか?』

帰ったところでどうこうなることもないが。

「砂川に謝ってくるといい」

『だよな…って、なんで知ってんだよ』

「大抵のことは察しがつく。と胡蝶が言っていた」

「うふふ、そういうことだから頑張ってね」

他のみんなも、がんばれーと気の抜けた応援をしてくれた。

『お前ら…』





早退してきたはいいものの、謝るとか無理だろ。

もう俺なんて怖いだろう。

全部説明したところで、きっと迷惑でしかない。

無意味に執着されて何をされるかも分からない。
トラウマだってあるだろう。

この状況で謝りに行くなんて、自己満足だ。そんなことくらい分かる。


こんなはずじゃなかった。

あの日も、そう思った。






ーーーーー

今日は、デートの日のはずだった。

待ち合わせ場所には必ずと言っていいほどAが先に待っていて、ここまで時間を過ぎて遅れるなんてことはなかった。

日付も場所も間違えていないはずだ。

迷うようなところでもない。連絡も来ない。

何かあったのだろうか。


とりあえずAの家に向かってみる。


「あの子なら、大丈夫」

「すまないな」

彼女の両親は、戸惑い混じりの冷めた声で言った。


全て察せた。



耐えられなかったんだよな。

それでいい、俺といたら不幸になりそうだし。


そう思ったつもりだが、本心はまったく違った。


こんなはずじゃなかった。


後悔している、
言い訳している、
諦めようとしている。

感情がごっちゃになって、何も考えられなくなって


こんなの、初めてだった。

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いのり(プロフ) - ゆんさん» 気に入っていただけたようで嬉しいですっっ( ; ; )応援ありがとうございます、頑張ります!! (2022年2月10日 15時) (レス) id: 13648d0b87 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - めっちゃ好きです、この歪んだ宇髄さん……前から拝読しておりましたが、好みすぎてコメントしちゃいました(笑)これからも無理のない範囲で更新頑張ってください♪楽しみにしています😌 (2022年2月8日 7時) (レス) id: 45bbc3e57c (このIDを非表示/違反報告)
いのり(プロフ) - *カスミソウ*さん» ありがとうございます♪ここからも拗れまくります!ぜひお付き合いくださいー!! (2022年2月2日 6時) (レス) id: 13648d0b87 (このIDを非表示/違反報告)
*カスミソウ*(プロフ) - 読ませていただきました!なんともいえない2人の関係にきゅんとしながら見ております!とっても面白かったです!次の更新も楽しみにしております(*^^*) (2022年1月29日 11時) (レス) @page34 id: b38fa73fcf (このIDを非表示/違反報告)
いのり(プロフ) - まっひーさん» かっこいいの分かります(*´꒳`*)コメントありがとうございます! (2021年12月26日 12時) (レス) id: 14af0b5718 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いのり | 作者ホームページ:http  
作成日時:2021年8月31日 6時

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