コール ページ39
「あ、おねえちゃん」
「まぐれの神のねえちゃんだ」
少年たち、次はバスケやってる…
『久しぶり』
「聞いたよねえちゃん、車に轢かれたらしいじゃん！」
大丈夫かと群がってくる子供たち。
全快だと笑ってみせると、ほっとした顔をした。
「…あのにいちゃんは？」
また助っ人を頼む気なのだろうか。
『昨日喧嘩しちゃった』
正確には私が一方的に色々言っただけなんだが。
「マジかあ…」
「夫婦喧嘩ね…」
いや、夫婦でもないけど…
『仲直りしなきゃだよね』
「うん。ねえちゃんたちっていつも一緒に居るし」
「お似合いだよなー」
『そっか…』
本当は分からない。
どうすればいいのか分からない。
自分につくづく嫌気が差した。
私はこんなに身勝手で最低な奴だったんだって。
『…私ね、冨岡さんに酷いこと言っちゃった。
絶対傷つけたし、もう私と関わりたくなんてないかも』
少年たちが顔を見合わせる。
「じゃあ尚更謝らないと！」
「そうだぞねえちゃん、ごめんなさいしないと駄目だ！」
『…そうだね』
どこまで正直に言ってしまうのがいいだろうか。
ううん、そんなことはいいから
謝ろう、冨岡さんに。
『…』
押せない。冨岡さんの部屋のインターホンが。
私って、こんなに駄目な奴だったっけ。
自分の部屋に入ってしまう。
…仕方ない、電話にしよう。
顔を合わせることにすら緊張するなんて、私たちじゃないかな。
『わっ』
番号を押そうとすれば、電話が鳴り響いた。
びっくりして手を引っ込める。
『…』
冨岡さんだ。
なんとなく分かる。
心臓が今までになく早鐘を打つ。
受話器を取れ。
『…っ』
しかし、手は動かなかった。
留守番電話に切り替わる。
「…柏原さん」
かなりくぐもった音声だが、冨岡さんの声だ。
私がいないと思って、留守電を入れてくれている。
「いきなり電話してすまない。謝りたくてな」
謝りたくて。
私と同じだ。
「昨日は、せっかく手伝ってもらったのにあのようなことを言ってすまない。不親切だった」
やっぱり、そのことか。
「少し臆病になっていた。
俺に貴方の傍にいる資格があるのか分からなくなった」
あぁ、同じなんだ。
受話器を手に取る。
『冨岡さんっ』
「柏原さん…？」
言いたいことなんてまとまっていなかった。
けど、ここで何もしなかったら私は只の卑怯者だ。
『ごめん、ずっと聞いてた』
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いのり(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» 最後まで読んでくださってありがとうございます！締めが善逸くんですいません(笑)これからも夢主ちゃんをよろしく頼みます！よかったら他の作品も応援お願いしますね！ (2021年11月6日 20時) (
レス) id: c234760d5a (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - 我妻…、(何でお前が最後で締めるんだ…)？完結おめでとう…。次は、誰の書くんだ…？良かったぞ。これからも夢主と仲良くするつもりだ。冨岡義勇だ。これからも頑張ってくれ。 (2021年11月6日 15時) (レス) @page42 id: e9e5935c56 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - なんて言う悲しい匂いだ…。本当に人違いですかね？俺の鼻は人違いでは無いって言ってます。竈門炭治郎です。続き楽しみにしています。 (2021年10月20日 7時) (レス) @page32 id: 38350d71b2 (このIDを非表示/違反報告)
いのり(プロフ) - 釜さん» ありがとうございます！とても励みになります♪これからも応援いただけると嬉しいです！ (2021年9月18日 8時) (レス) id: c234760d5a (このIDを非表示/違反報告)
釜(プロフ) - こんばんは！ほんわかしたお話で、描写も綺麗で好きです！ (2021年9月17日 21時) (レス) id: e08aae1730 (このIDを非表示/違反報告)
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