初対面 ページ24
「安心したわ。義勇にも友達がちゃんといるのね」
冨岡さんのお姉さんは蔦子さんといって
写真の優しい笑顔の通り、すごく感じのいい人だった。
「こんな都会で、孤立してたらって心配だったの」
「大丈夫だ。毎日楽しくやっている」
「柏原さんのおかげだわ〜ありがとうね」
手を握ってぶんぶんと上下に振られる。
『いえ、こちらこそ…義勇さんにはお世話になっていますので』
言いながら、お世話になったことあったっけ?と考える。
「あ、これ私の連絡先。困ったことがあったら言ってね」
『ありがとうございます』
「やだ〜可愛い子だわ、いい子だし。
柏原さん気に入っちゃった」
「あぁ、柏原さんはいい人だ。可愛いし」
涼しい顔で同じようことを口にするあたり、姉弟だ。
『そういえば、蔦子さん』
「なあに?」
『以前、私に会ったことがありますか?』
お姉さんも初対面だったけれど、ひょっとしたら私について知っているかもしれないし、義勇さんとの関係性も分かるかもしれない。
「いいえ」
『…そうですか』
しっぽ掴めず!
「義勇が変なことを言ったかしら」
『まぁ…変なことなら四六時中言ってますが』
心外!みたいな顔をする冨岡さん。
どうにかしてくださいお姉さん。
「変わった子なのはそうなんだけど…
突然、姉さんは俺が護るとか言い出したり」
「な、何年前の話だ」
ついこの前に似たようなことを私に言ったじゃないか。
「私にも分からない、何かを知っているみたいなの」
『ほう…?』
「掴みどころのないことは言うけれど、義勇がとても妄言を吐くとは思えない…
義勇には、何か見えていると思う。ちょっと、特別な子なのかもしれないわ」
それは、なんとなく分かる。
同時に安心もした。
お姉さんも、分からないんだ。
「その正体は分からないけど…義勇は貴方に何か感じているみたいね。ひょっとしたら、貴方がきっかけになるかもしれないわ、柏原さん」
『えっと…はい』
深刻になる時の顔つきも、似てる。
どこか有無を言わせぬ感じとか。
「…ふふっ、ありがとう。
義勇と関わるの、結構大変だと思うけど仲良くしてやってね」
『もちろんです』
大変なのも慣れっこだ。何ヶ月一緒にいたことか。
黙って聞いている冨岡さんの方を見ると、彼はすすすと寄ってきて私の手を取った。
「俺からも、ありがとうと言わせてもらおう。
以後よろしく頼む」
『…うん、こちらこそ』
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いのり(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» 最後まで読んでくださってありがとうございます!締めが善逸くんですいません(笑)これからも夢主ちゃんをよろしく頼みます!よかったら他の作品も応援お願いしますね! (2021年11月6日 20時) (レス) id: c234760d5a (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - 我妻…、(何でお前が最後で締めるんだ…)?完結おめでとう…。次は、誰の書くんだ…?良かったぞ。これからも夢主と仲良くするつもりだ。冨岡義勇だ。これからも頑張ってくれ。 (2021年11月6日 15時) (レス) @page42 id: e9e5935c56 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - なんて言う悲しい匂いだ…。本当に人違いですかね?俺の鼻は人違いでは無いって言ってます。竈門炭治郎です。続き楽しみにしています。 (2021年10月20日 7時) (レス) @page32 id: 38350d71b2 (このIDを非表示/違反報告)
いのり(プロフ) - 釜さん» ありがとうございます!とても励みになります♪これからも応援いただけると嬉しいです! (2021年9月18日 8時) (レス) id: c234760d5a (このIDを非表示/違反報告)
釜(プロフ) - こんばんは!ほんわかしたお話で、描写も綺麗で好きです! (2021年9月17日 21時) (レス) id: e08aae1730 (このIDを非表示/違反報告)
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