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回想-結論 ページ22

それから、うまくいかなくなった。

簡単に言うと喧嘩が増えた。

今日もちょっとした言い合いになって
なんでこうなったんだろう、泣けてくる。

部屋の電気もつけないままベッドに飛び込んだ。

別に嫌いになったとかじゃない。

ずっと好きだよ、私は。

好きだから、不安で不安でたまらない。ごめんね、こんな私で。


インターホンが鳴ったので重い体を半分引きずるようにして出ると、実弥がいた。

『あ、実弥…こんばんは』

「よォ。…ちょっと話しようぜ」

嫌な予感がしてならなかった。

『ごめんね…今日は』

冷めてしまったお茶をすする。

「俺の方も悪かった…
なぁ、喧嘩はこれで何度目だ?」

『…5回目』

「1ヶ月の内に5回」

『何が言いたいの』

「お前、最近よく怒るよなァ」

『…』

最近気が立ってばっかりだ。良くないのは分かってる。

「いや、俺のせいだよな。かく言う俺も怒ってばっかだし」

『私も悪いよ』

「付き合う前はもっと上手いことやってたよな。
…なんでこうちまったんだァ」

『…私、恋愛向いてないからさ』

「多分俺もな」

苦笑する実弥。全然笑えない。

『私はこのままでいいよ。
上手くやれてなくたっていい。前に戻りたいなんて思わない』

正直に言うと、驚いた顔をする実弥。
やっぱり私のこと分かってない。

「…俺はなァ、A。お前の笑う顔が好きだ」

私も貴方の笑う顔が好きだよ。

「最近、全然笑わない。俺のせいで」

『実弥のせいじゃない』

私が勝手に自分を苦しめてるだけだ。

「この関係に…俺にこだわってどうする。この先お前がずっと笑ってるのなんて見えねェよ」

『なんで決めつけるの…実弥は私がいなくても良いわけ?』

「あぁ、別に良い」

なにそれ。

私は、幸せじゃなくていいから実弥といたいな。

でもそんなの呪いみたいなものなのかな。
実弥を苦しませてるのは私だったのかな。

『…馬鹿にしないでよ』

絞り出した声に実弥は聞こえないふりをした。


「…もう前置きは充分だよなァ。
A、別れよう」

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作者名:いのり | 作者ホームページ:http  
作成日時:2021年6月7日 19時

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