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回想-蛍 ページ20

『実弥の馬鹿〜私とは遊びだったのかこん畜生〜』

いくら言っても返事は返ってこないのでやめよう。
本人を前に言ったところで秒で「本気」と返されて許すのがオチだ。

それにしたって。

『あーもうあの女が全て悪いんだ…』

最近実弥にちょっかいばっかり出してるあの子。

ついに不死川くん勉強おしえてーとか言い出して。小学生か!
いや私も人のこと言えないんだけど…

びっちり見張っててやろうと思ったのだがそうもいかず、今日は私も用事があったから帰らなきゃいけなかった。

どうしよう、どうにかできないかな。
もう付き合ってることは知ってるはずなのに、なんで色目使うの?

『はぁ…』

遠回りしよう。用事に遅れない程度に。

そう思ったものの

『あれ?ここどこ?』

全く知らない道に出てしまった。
おかしい、私の予想ではいつものあの道に出るはずだったのに。

引き返す?いや多分こっち方面に進めば帰れる。

『なんか人里離れてきたな…やばいな』

あーあ怒られちゃうよ…とか思いながらも足は止まらない。
やけくそだったみたい。

実弥が足りない。実弥が。

『遅れても実弥のせいだもんね〜…
ん?』


数日後

「本当にあってんのかァ」

『さぁ…でもあの時の私ならこの道を選びそう』

不安気な実弥。正直迷ったっていいんだけど実弥に迷惑かかるしなぁ。

どんどん人の気がなくなっていく。
うん、多分合ってる。この前もこんな感じだった。

『実弥、ここだよ』

この前やけくそでたどりついた川沿いの道で見た景色。

「蛍」

『うん』

普通に都会と言っていいこの街にも蛍が飛ぶんだ。
肉眼で見たのはきっと初めてだから感動して

「…懐かしい」

『え?』

「ガキの頃、多分来たことあるんだよな、玄弥と。
俺たちしか知らねぇよこんなとこって喜んでたのを思い出してよォ」

なんだ、来たことあったんだ。

『ずっといるんだね、蛍』

「そうだなァ」

『私は好きだな、ここ。苦しいのもちょっとだけ楽になるし』

「…なんかあったのか?」

『うーん…やきもち?』

「何に?」

やっぱり実弥には分からないかな。鈍感そうだし。

『言わない。嫉妬とかみっともないから』

あ、分かってないな、この顔は。
まぁ実弥には分からなくて良いし、こんな私知られたくない。

『連れ出してごめんね。
帰ろっか』

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作者名:いのり | 作者ホームページ:http  
作成日時:2021年6月7日 19時

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