回想-過ち ページ16
どうも、Aです。
朝起きたら目の前に実弥がいてめちゃくちゃビビったのですが…
昨日の記憶が曖昧すぎて、取り返しのつかないことをしていないか怖いです。
いやうん、大丈夫。ちゃんと服着てるし。
『…実弥』
肩を揺らすと実弥が目を開けた。
驚いた様子はないので実弥はちゃんと覚えているらしい。
「おはよう…昨日は良かったなァ」
『良かっ…何が!?待ってください記憶にないんです!未遂だよね!?未遂であって!?』
「あァ?覚えてねェのかよ。どんだけ俺が困らされたと思って」
顎を掴まれる。あ、これは怒ってる。
「お前を抱えて家まで送って、中に入れって言われて入って
あんなことやこんなこと…」
『ちょっと待ってそこを詳しく!いや聞きたくない!』
「落ち着けよォ…水飲め水」
水を飲むとなんだか落ち着いて、記憶も徐々に戻ってきた。
既に実弥に抱えられた状態で家に入ってきた私は、
実弥が私を降ろそうとすると拒否した。
頬にちゅってしたら酒の勢いでするなと怒られた。
寝かしつけようとしても全然寝ない私をとうとう実弥はベッドに押し付けて
一緒に寝てやるからいい加減寝てくれと言った。
それで今に至る…つまり未遂だ。大丈夫、これ全年齢。
「大丈夫だとか思ってんじゃねェぞ、Aは一人暮らしかもしれねェけど、俺には家族がいるんだァ。一家の長男が突然朝帰りだ。泣けるだろ」
『私なら赤飯を炊く』
睨まれた。怖い。
「…お前、分かってねェな」
『何を…ですか』
「未遂だったのは俺が我慢したからだ」
『…えっ』
えっ。
「どうせお前が朝騒ぐと思って堪えてた。偉いよ俺ァ」
『実弥、我慢とかするの』
「…どういう意味だよ」
『そういうことじゃなくて、そんなこと考えなさそうっていうか…
我慢する必要もないみたいな…』
えっなんで怒ってるの。怖いよ。
「…分かってねェ。お前ほんとに自分が何したか覚えてんのか
同じことそっくりそのままして思い出させてやってもいいんだぜェ」
『え、遠慮します』
ずい、と顔が近づけられる。
目を細めるのがなんだか妖しくて
実弥にもこんな顔できるんだ…
「また余計なこと考えてやがんなァ…
もういい、どっちにしろ朝帰りは同じことだろ」
体を起こしたと思うと私に覆い被さる実弥。
『へ、あ』
言葉が出ずに口をぱくぱくさせる。
おーう、目が据わっている…
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